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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0153A01: 敎を受て・桑を採るか如し・閔王の遊を見ざるは・
J09_0153A02: 諸善萬行・或は現世利益の祈禱念佛等に・心の移ら
J09_0153A03: ざるに喩ふへし・百姓少長來り見るをば・世間一黨
J09_0153A04: の後世願ひと云ふに喩ふべし・閔王怪み問玉へるを
J09_0153A05: ば・今時法華眞言等の目出度敎もあり・現世利益を
J09_0153A06: 勸る・祈禱念佛もありて・少長男女となく・皆結縁
J09_0153A07: 修行するに如何なれば其方のみ・一向に往生の爲計
J09_0153A08: りに稱名して・現益諸行等をかへりみざるやと・詰
J09_0153A09: るに喩ふべし・次に宿瘤は父母の敎を受て桑をとる
J09_0153A10: 未だ大王の遊びを見よと云ふ敎を受ずと云ふは・今
J09_0153A11: 日の各各我等は・大祖圓光大師の遺訓をうけて・往
J09_0153A12: 生の爲に稱名す・未だ諸善萬行を修せよ・現世の事
J09_0153A13: を祈れよと云ふ・遺訓を受ずと云ふに比すべし・次
J09_0153A14: に王驚て卑女なれとも奇異の心ありと云ふをば・今
J09_0153A15: 日の各各我等いやしき凡夫なれとも一筯に本願念佛
J09_0153A16: の・遺誓を仰信して・諸餘をかへり見ざるは・奇異
J09_0153A17: の心なるに喩ふ・此處十勝論卷四・勸化本義所引のことし惜い哉瘤ありて・
J09_0153B18: 見にくしと云ふは・一向專修の行者を見て・自力雜
J09_0153B19: 修の人人評して云ふ樣・惜い哉戒の持破をも論ぜず
J09_0153B20: 煩惱の斷除をもいはず・現世の利益をも沙汰せずと
J09_0153B21: 云ふに喩ふ・宿癅が我は父母の敎を心に背じと守り
J09_0153B22: て形の善惡を心にかけざれば・瘤あれとも愁ひとす
J09_0153B23: るに足ずと云ふは・今日の我我は・大師の敎に信せ
J09_0153B24: て彌陀の本願にのみ違はじと・一向稱名すれば煩惱
J09_0153B25: の厚薄・業の輕重等に心をかけざれは・戒律の持犯
J09_0153B26: 現世の苦厄をも・さのみ愁ひとするに足すこと云ふに
J09_0153B27: 此すべし・元祖の曰く・煩惱の厚き薄きをかへりみず等と・ついに衣服を替ずして
J09_0153B28: 王宮に入たるを・我等凡夫・此身このままにして・
J09_0153B29: 念佛して・往生を遂たるに喩ふる也・聖化隣國に及
J09_0153B30: び・上下豊に治り・賢德を顯せしをば・往生し已て後
J09_0153B31: ち・還來穢國度人天・或は他方國土に於て・成等正
J09_0153B32: 覺するに喩へつべし・古語に曰く・孝臻三際百行
J09_0153B33: 先也・已上明心寳鑑云曾子云孝百行之先莫過於孝孝
J09_0153B34: 至於天則者風雨順時孝至於地則者萬物化盛孝

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