浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0153A01: | 敎を受て・桑を採るか如し・閔王の遊を見ざるは・ |
J09_0153A02: | 諸善萬行・或は現世利益の祈禱念佛等に・心の移ら |
J09_0153A03: | ざるに喩ふへし・百姓少長來り見るをば・世間一黨 |
J09_0153A04: | の後世願ひと云ふに喩ふべし・閔王怪み問玉へるを |
J09_0153A05: | ば・今時法華眞言等の目出度敎もあり・現世利益を |
J09_0153A06: | 勸る・祈禱念佛もありて・少長男女となく・皆結縁 |
J09_0153A07: | 修行するに如何なれば其方のみ・一向に往生の爲計 |
J09_0153A08: | りに稱名して・現益諸行等をかへりみざるやと・詰 |
J09_0153A09: | るに喩ふべし・次に宿瘤は父母の敎を受て桑をとる |
J09_0153A10: | 未だ大王の遊びを見よと云ふ敎を受ずと云ふは・今 |
J09_0153A11: | 日の各各我等は・大祖圓光大師の遺訓をうけて・往 |
J09_0153A12: | 生の爲に稱名す・未だ諸善萬行を修せよ・現世の事 |
J09_0153A13: | を祈れよと云ふ・遺訓を受ずと云ふに比すべし・次 |
J09_0153A14: | に王驚て卑女なれとも奇異の心ありと云ふをば・今 |
J09_0153A15: | 日の各各我等いやしき凡夫なれとも一筯に本願念佛 |
J09_0153A16: | の・遺誓を仰信して・諸餘をかへり見ざるは・奇異 |
J09_0153A17: | の心なるに喩ふ・此處十勝論卷四・勸化本義所引のことし惜い哉瘤ありて・ |
J09_0153B18: | 見にくしと云ふは・一向專修の行者を見て・自力雜 |
J09_0153B19: | 修の人人評して云ふ樣・惜い哉戒の持破をも論ぜず |
J09_0153B20: | 煩惱の斷除をもいはず・現世の利益をも沙汰せずと |
J09_0153B21: | 云ふに喩ふ・宿癅が我は父母の敎を心に背じと守り |
J09_0153B22: | て形の善惡を心にかけざれば・瘤あれとも愁ひとす |
J09_0153B23: | るに足ずと云ふは・今日の我我は・大師の敎に信せ |
J09_0153B24: | て彌陀の本願にのみ違はじと・一向稱名すれば煩惱 |
J09_0153B25: | の厚薄・業の輕重等に心をかけざれは・戒律の持犯 |
J09_0153B26: | 現世の苦厄をも・さのみ愁ひとするに足すこと云ふに |
J09_0153B27: | 此すべし・元祖の曰く・煩惱の厚き薄きをかへりみず等と・ついに衣服を替ずして |
J09_0153B28: | 王宮に入たるを・我等凡夫・此身このままにして・ |
J09_0153B29: | 念佛して・往生を遂たるに喩ふる也・聖化隣國に及 |
J09_0153B30: | び・上下豊に治り・賢德を顯せしをば・往生し已て後 |
J09_0153B31: | ち・還來穢國度人天・或は他方國土に於て・成等正 |
J09_0153B32: | 覺するに喩へつべし・古語に曰く・孝臻三際百行 |
J09_0153B33: | 先也・已上明心寳鑑云曾子云孝百行之先莫過於孝孝 |
J09_0153B34: | 至於天則者風雨順時孝至於地則者萬物化盛孝 |