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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0151A01: に歸入して・唯往生極樂の爲には・南無阿彌陀佛と
J09_0151A02: 申て・疑ひなく往生するぞとおもひとりて・申外に
J09_0151A03: は別の子細候はずとある一句を守りたけれ・玄旨幽
J09_0151A04: 淵にして・海底窮め難かめれど・翁媼尼入道の爲に
J09_0151A05: やむ事を得ず・且く八門の梗槪を談じて・粗一途の
J09_0151A06: 所歸を知しめんと欲す・されば本文をふかくもむつ
J09_0151A07: かしくも云なさずして・たださらさらと讀たるばか
J09_0151A08: りにて心得るこそ・大師の素懷にてこそあらめ・中
J09_0151A09: なか異解を逞して・廣く沙汰しなば・一紙の本意を失
J09_0151A10: 卻せん・恐るべし愼むべし・
J09_0151A11: 第一遺訓門 第二縁起門 第三敎興門
J09_0151A12: 第四躰性門 第五宗旨門 第六敎相門
J09_0151A13: 第七攝機門 第八力用門なり○第一遺訓門とは
J09_0151A14: 遺敎經に曰く・其未度者皆・亦已作得度因縁自今
J09_0151A15: 以後我諸弟子展轉行之則是如來法身常在而不
J09_0151A16: 滅也等と・これは是釋尊の御遺言也・遺訓遺言遺屬などど云ふて・僧俗共に終
J09_0151A17: りに臨みて・いいおく事也・今この御遺誓の一紙は・開祖圓光大師・自
J09_0151B18: 行化佗すでに成就し玉ひて・御壽齡滿八十に及ばせ
J09_0151B19: 玉ひ・御臨末の要語・御遺屬の絶筆にして・淨宗の薀
J09_0151B20: 奧を示し・行者の龜鏡に備へ・闇夜の大明燈・失道
J09_0151B21: の手引・往生淨土の捷徑・出離生死の要術なり・顯
J09_0151B22: 説し玉ふ事・唯この一紙に留まれり・語に云ふ・人
J09_0151B23: の將に死なんとする時・其言ふ事よしと・ああ大師
J09_0151B24: 臨末に・この一紙を殘して末世の疑惑を除却し・願
J09_0151B25: 生の輩をして・口稱の一行に往生を决信せしめ玉ふ・
J09_0151B26: 凡そ人の親たらんもの・終りにのぞまんに・子孫に
J09_0151B27: 對して何ぞ戯笑虚妄を云ふべけんや・反して明む人
J09_0151B28: として・父母の遺言を信せすは有べからす・何に况
J09_0151B29: や平生篤信の・孝子順孫たるもの・豈臨末の遺屬を
J09_0151B30: 用ひざらんや・ここに知る念佛の行者にして・宗祖
J09_0151B31: 大師の御遺屬たる・起請誓言を信ぜすは有べからず
J09_0151B32: 爾れは三道以て急用たり・實に我大師は極樂往生を
J09_0151B33: 願求する者の爲には・大慈大悲の父母にて・一向專
J09_0151B34: 修念佛を以て・末代の衆生を救はんが爲に・具さに

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