浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0151A01: | に歸入して・唯往生極樂の爲には・南無阿彌陀佛と |
J09_0151A02: | 申て・疑ひなく往生するぞとおもひとりて・申外に |
J09_0151A03: | は別の子細候はずとある一句を守りたけれ・玄旨幽 |
J09_0151A04: | 淵にして・海底窮め難かめれど・翁媼尼入道の爲に |
J09_0151A05: | やむ事を得ず・且く八門の梗槪を談じて・粗一途の |
J09_0151A06: | 所歸を知しめんと欲す・されば本文をふかくもむつ |
J09_0151A07: | かしくも云なさずして・たださらさらと讀たるばか |
J09_0151A08: | りにて心得るこそ・大師の素懷にてこそあらめ・中 |
J09_0151A09: | なか異解を逞して・廣く沙汰しなば・一紙の本意を失 |
J09_0151A10: | 卻せん・恐るべし愼むべし・ |
J09_0151A11: | 第一遺訓門 第二縁起門 第三敎興門 |
J09_0151A12: | 第四躰性門 第五宗旨門 第六敎相門 |
J09_0151A13: | 第七攝機門 第八力用門なり○第一遺訓門とは |
J09_0151A14: | 遺敎經に曰く・其未度者皆・亦已作得度因縁自今 |
J09_0151A15: | 以後我諸弟子展轉行之則是如來法身常在而不 |
J09_0151A16: | 滅也等と・これは是釋尊の御遺言也・遺訓遺言遺屬などど云ふて・僧俗共に終 |
J09_0151A17: | りに臨みて・いいおく事也・今この御遺誓の一紙は・開祖圓光大師・自 |
J09_0151B18: | 行化佗すでに成就し玉ひて・御壽齡滿八十に及ばせ |
J09_0151B19: | 玉ひ・御臨末の要語・御遺屬の絶筆にして・淨宗の薀 |
J09_0151B20: | 奧を示し・行者の龜鏡に備へ・闇夜の大明燈・失道 |
J09_0151B21: | の手引・往生淨土の捷徑・出離生死の要術なり・顯 |
J09_0151B22: | 説し玉ふ事・唯この一紙に留まれり・語に云ふ・人 |
J09_0151B23: | の將に死なんとする時・其言ふ事よしと・ああ大師 |
J09_0151B24: | 臨末に・この一紙を殘して末世の疑惑を除却し・願 |
J09_0151B25: | 生の輩をして・口稱の一行に往生を决信せしめ玉ふ・ |
J09_0151B26: | 凡そ人の親たらんもの・終りにのぞまんに・子孫に |
J09_0151B27: | 對して何ぞ戯笑虚妄を云ふべけんや・反して明む人 |
J09_0151B28: | として・父母の遺言を信せすは有べからす・何に况 |
J09_0151B29: | や平生篤信の・孝子順孫たるもの・豈臨末の遺屬を |
J09_0151B30: | 用ひざらんや・ここに知る念佛の行者にして・宗祖 |
J09_0151B31: | 大師の御遺屬たる・起請誓言を信ぜすは有べからず |
J09_0151B32: | 爾れは三道以て急用たり・實に我大師は極樂往生を |
J09_0151B33: | 願求する者の爲には・大慈大悲の父母にて・一向專 |
J09_0151B34: | 修念佛を以て・末代の衆生を救はんが爲に・具さに |