浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0150A01: | 仰せられけると・爰を以て知るべし・其宗宗に立る |
J09_0150A02: | 所・尤所由ある事を・されはこそ天台は・當機を鑑 |
J09_0150A03: | み・善導は遐代を鑒み玉ふと・記主禪師は判じ玉へ |
J09_0150A04: | り・故に我意私情に任せず・宗祖の遺訓を守て・一向 |
J09_0150A05: | に稱名すべし・又曰漢語燈錄十一之卷我立一向專念之義人多 |
J09_0150A06: | 難之曰諸行往生倶是佛説亦可勸進何爲揚 |
J09_0150A07: | 一抑餘且設勸餘行亦何妨礙念佛往生然而強立 |
J09_0150A08: | 一向專念之義此有偏執失矣如此難者不知 |
J09_0150A09: | 宗旨之元由故也經曰一向專念無量壽佛釋曰一 |
J09_0150A10: | 向專稱彌陀佛名若離經釋而立私義則實可責 |
J09_0150A11: | 也經釋已有一向言而強致難破是謗佛祖非 |
J09_0150A12: | 關吾也・評して曰く・諸行往生は・隨他意の勸㢡なり・一向專念は・宗の元由・三佛の本懷・隨自意の極致なり・抑 |
J09_0150A13: | 此御法語を以て今を見るに・一枚起請文は・宗の元 |
J09_0150A14: | 意隨自意の本懷を遺屬し玉ふ・爾れば智愚共に・唯一 |
J09_0150A15: | 向に念佛すべしとの御遺訓・全く宗祖大師の私立に |
J09_0150A16: | 非ざる事を知るべし・されば愼て雜修する事なく・仰 |
J09_0150A17: | て但信稱名して・往生の本懷を遂べきもの也・鎭西上 |
J09_0150B18: | 人の云く箆をたむるに・片目をふさぎて・よくため |
J09_0150B19: | らるるやうに・一向專修も・よこ目をせざれば・とく |
J09_0150B20: | なるなりと・餘行に目をかけされば、專修が直になるなり萬事我意私情に信す |
J09_0150B21: | れば・終に正道をあやまつもの也・莊子云・出自 |
J09_0150B22: | 塵壒之情則何預至道之大矣我意は即私情にして狹少也、佛祖の至道何そ究めんや・ |
J09_0150B23: | 誤て邪路に入なば・未來永永無數劫の嘆きなるべし・ |
J09_0150B24: | 彼不昧不落の一語を誤て・五百生野狐の身と成降し |
J09_0150B25: | は誠に口惜き事に非ずや・世の諺に・酒は酒屋の心 |
J09_0150B26: | をはかり・餠は餠やの語につけよと云ふ如く・念佛 |
J09_0150B27: | 往生の安心は・必ず宗祖大師に打信せて・御遺訓を |
J09_0150B28: | 聽受すべしとぞ覺えられける・總論畢・ |
J09_0150B29: | 倩倩御遺訓の一紙を拜讀し上れは・涙連連として留 |
J09_0150B30: | らず・誠に誰が爲の起請誓言ぞ・抑末世の我等・ |
J09_0150B31: | 迷倒の衆生の爲ならずや・淨土宗の安心起行・此一 |
J09_0150B32: | 紙に至極せりとの玉へるを・しみしみと心に味ふる |
J09_0150B33: | に・たとひ一代の法を暗じ・内外の典を明めたりと |
J09_0150B34: | も・博く學で約かに知るのいはれにて・偏に此一紙 |