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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0150A01: 仰せられけると・爰を以て知るべし・其宗宗に立る
J09_0150A02: 所・尤所由ある事を・されはこそ天台は・當機を鑑
J09_0150A03: み・善導は遐代を鑒み玉ふと・記主禪師は判じ玉へ
J09_0150A04: り・故に我意私情に任せず・宗祖の遺訓を守て・一向
J09_0150A05: に稱名すべし・又曰漢語燈錄十一之卷我立一向專念之義人多
J09_0150A06: 難之曰諸行往生倶是佛説亦可勸進何爲揚
J09_0150A07: 一抑餘且設勸餘行亦何妨礙念佛往生然而強立
J09_0150A08: 一向專念之義此有偏執失矣如此難者不知
J09_0150A09: 宗旨之元由故也經曰一向專念無量壽佛釋曰一
J09_0150A10: 向專稱彌陀佛名若離經釋而立私義則實可責
J09_0150A11: 也經釋已有一向言而強致難破是謗佛祖非
J09_0150A12: 關吾也・評して曰く・諸行往生は・隨他意の勸㢡なり・一向專念は・宗の元由・三佛の本懷・隨自意の極致なり・
J09_0150A13: 此御法語を以て今を見るに・一枚起請文は・宗の元
J09_0150A14: 意隨自意の本懷を遺屬し玉ふ・爾れば智愚共に・唯一
J09_0150A15: 向に念佛すべしとの御遺訓・全く宗祖大師の私立に
J09_0150A16: 非ざる事を知るべし・されば愼て雜修する事なく・仰
J09_0150A17: て但信稱名して・往生の本懷を遂べきもの也・鎭西上
J09_0150B18: 人の云く箆をたむるに・片目をふさぎて・よくため
J09_0150B19: らるるやうに・一向專修も・よこ目をせざれば・とく
J09_0150B20: なるなりと・餘行に目をかけされば、專修が直になるなり萬事我意私情に信す
J09_0150B21: れば・終に正道をあやまつもの也・莊子云・出自
J09_0150B22: 塵壒之情則何預至道之大矣我意は即私情にして狹少也、佛祖の至道何そ究めんや・
J09_0150B23: 誤て邪路に入なば・未來永永無數劫の嘆きなるべし・
J09_0150B24: 彼不昧不落の一語を誤て・五百生野狐の身と成降し
J09_0150B25: は誠に口惜き事に非ずや・世の諺に・酒は酒屋の心
J09_0150B26: をはかり・餠は餠やの語につけよと云ふ如く・念佛
J09_0150B27: 往生の安心は・必ず宗祖大師に打信せて・御遺訓を
J09_0150B28: 聽受すべしとぞ覺えられける・總論畢・
J09_0150B29: 倩倩御遺訓の一紙を拜讀し上れは・涙連連として留
J09_0150B30: らず・誠に誰が爲の起請誓言ぞ・抑末世の我等・
J09_0150B31: 迷倒の衆生の爲ならずや・淨土宗の安心起行・此一
J09_0150B32: 紙に至極せりとの玉へるを・しみしみと心に味ふる
J09_0150B33: に・たとひ一代の法を暗じ・内外の典を明めたりと
J09_0150B34: も・博く學で約かに知るのいはれにて・偏に此一紙

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