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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0149A01: 釋義によりて・淨土宗を立るとき・すなはち凡夫報
J09_0149A02: 土に生ることあらはるるなり・ここに人おほく誹謗し
J09_0149A03: ていはく・かならず宗義を立せずとも・念佛往生を
J09_0149A04: すすむべし・いま宗義をたつる事は・ただこれ勝他
J09_0149A05: のためなるべし・我等凡夫むまるることを得は・應
J09_0149A06: 身應土なりとも足ぬべし・なんそ強に報身報土の義
J09_0149A07: をたつるやと・此義一往ことはりなるに似たれども・
J09_0149A08: 再往をいへは其義をしらざるがゆへなりもし別の宗
J09_0149A09: を立せすは・凡夫報土に生ずる義もかくれ・本願の
J09_0149A10: 不思議もあらはれがたきなり・しかれば善導和尚の
J09_0149A11: 釋義にまかせて・報身報土の義を立す・これまたく
J09_0149A12: 勝佗のためにあらずとぞおほせられけると・爾れば
J09_0149A13: 今日の我等が爲に建立し玉へる・本願念佛を・大漸
J09_0149A14: の期に及て・亦我等に遺屬し玉へる・一枚起請文そ
J09_0149A15: と信受すべし・又或とき上人・播磨の信寂房におほ
J09_0149A16: せられけるは・ここに宣旨の二つ侍るを・とりたが
J09_0149A17: へて・鎭西の宣旨を・坂東へくだし・坂東の宣旨を
J09_0149B18: ば・鎭西へくだしたらんには人もちひてんやとの給
J09_0149B19: ふに・信寂房しばらく案じて・宣旨にても候へ・と
J09_0149B20: りたがへたらんをば・いかかもちひ侍るべきと申け
J09_0149B21: れは・御房は道理をしれる人かなやがてさぞ・帝王
J09_0149B22: の宣旨とは・釋迦の遺敎なり宣旨二つありといふは
J09_0149B23: 正像末三時の敎なり・聖道門の修行は・正像の時の
J09_0149B24: 敎なるが故に・上根上智のともがらにあらざれば證
J09_0149B25: しがたし・たとへは西國の宣旨のごとく淨土門の修
J09_0149B26: 行は・末法濁亂の時の敎なるか故に・下根下智のと
J09_0149B27: もがらを器とす・これ奧州の宣旨のことし・しかれ
J09_0149B28: ば三時相應の宣旨・これをたがふましきなり・大
J09_0149B29: 原にして聖道淨土の論談ありしに・法門は牛角の論
J09_0149B30: なりしかども・機根くらべには源空かちたりき聖道
J09_0149B31: 門はふかしといへとも・時すぎぬれは今の機にかな
J09_0149B32: はず・淨土門はあさきににたれども・當根にかなひ
J09_0149B33: やすしといひしとき・末法萬年・餘經悉滅・彌陀一
J09_0149B34: 敎・利物偏增の道理におれて・人みな信伏しきとぞ

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