浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0148A01: | して・こしらへさせられければ・やすらかにゆひてま |
J09_0148A02: | いらせたり・おもうやうにめぐりて・水をくみいるる |
J09_0148A03: | こと・めでたかりけり・萬に其道をしれるものは・や |
J09_0148A04: | んごとなきものなりと・此段萬の事に付て・其道を |
J09_0148A05: | 心得たる人を用ひよ・さてぞ心易く成就するものぞ |
J09_0148A06: | と也・故に記主禪師の云く・天台鑑當機弘圓宗 |
J09_0148A07: | 以爲正善導鑑遐代弘淨土以爲正と已上各各司 |
J09_0148A08: | どる所の異なる事を知るべし・爰を以て古人も・蛇の |
J09_0148A09: | 道は蛇の知りたるやうにと云へり・又少の事も我意 |
J09_0148A10: | に任すれば過ちあるものなれば・必其道の先達にし |
J09_0148A11: | たふがべしと云ふ事を示すとて・昔し仁和寺に・ある |
J09_0148A12: | 法師年よるまて・石淸水をおがまざりければ・心うく |
J09_0148A13: | 覺えて・ある時思ひたちてたたひとりかちよりまう |
J09_0148A14: | でけり・極樂寺高良などおがみて・かばかりと心得 |
J09_0148A15: | てかへりにけり・さてかたへの人に逢て・としごろの |
J09_0148A16: | 思ひつることはたし侍り・聞しにもすぎてたふとくこ |
J09_0148A17: | そおはしけれ・そも參りたる人ことに山へのぼりしは |
J09_0148B18: | 何事かありけん・ゆかしかりしかと・神へ叅るこそ |
J09_0148B19: | ほいなれと思ひて・山までは見ずとぞいひける・す |
J09_0148B20: | こしのことにも・先達はあらまほしき事なり・と兼好 |
J09_0148B21: | もいへり・萬の事はしかしかの道の先賢の故實を貴 |
J09_0148B22: | び・師説を受て學び行ふべし・さてこの大師も・源 |
J09_0148B23: | 空は大唐の善導和尚のをしへにしたがひ選擇集に・善導一師に依るの |
J09_0148B24: | 明訓あり・思ふてしるべし・本朝の慧心の先德のすすめにまかせて・ |
J09_0148B25: | 稱名念佛のつとめ・長日六萬返なりどの玉へり・か |
J09_0148B26: | くも導師の指揮を守り玉ふ故に善導大師面見來現ま |
J09_0148B27: | しまして・淨土の法門を相承し玉ひぬと・勅修の御 |
J09_0148B28: | 傳には見えたり・「又或時語ての給はく・われ淨土宗 |
J09_0148B29: | を立る心は・凡夫の報土にむまるることをしめさん |
J09_0148B30: | がためなり・天台によれば・凡夫淨土に生るることを |
J09_0148B31: | ゆるすに似たれとも・淨土を判ずることあさし・もし |
J09_0148B32: | 法相によれば・淨土を判ずることふかしといへども・ |
J09_0148B33: | 凡夫の往生をゆるさず・諸宗の所談ことなりといへと |
J09_0148B34: | も・凡夫報土に生るることをゆるさざる故に・善導の |