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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0148A01: して・こしらへさせられければ・やすらかにゆひてま
J09_0148A02: いらせたり・おもうやうにめぐりて・水をくみいるる
J09_0148A03: こと・めでたかりけり・萬に其道をしれるものは・や
J09_0148A04: んごとなきものなりと・此段萬の事に付て・其道を
J09_0148A05: 心得たる人を用ひよ・さてぞ心易く成就するものぞ
J09_0148A06: と也・故に記主禪師の云く・天台鑑當機弘圓宗
J09_0148A07: 以爲正善導鑑遐代弘淨土以爲正と已上各各司
J09_0148A08: どる所の異なる事を知るべし・爰を以て古人も・蛇の
J09_0148A09: 道は蛇の知りたるやうにと云へり・又少の事も我意
J09_0148A10: に任すれば過ちあるものなれば・必其道の先達にし
J09_0148A11: たふがべしと云ふ事を示すとて・昔し仁和寺に・ある
J09_0148A12: 法師年よるまて・石淸水をおがまざりければ・心うく
J09_0148A13: 覺えて・ある時思ひたちてたたひとりかちよりまう
J09_0148A14: でけり・極樂寺高良などおがみて・かばかりと心得
J09_0148A15: てかへりにけり・さてかたへの人に逢て・としごろの
J09_0148A16: 思ひつることはたし侍り・聞しにもすぎてたふとくこ
J09_0148A17: そおはしけれ・そも參りたる人ことに山へのぼりしは
J09_0148B18: 何事かありけん・ゆかしかりしかと・神へ叅るこそ
J09_0148B19: ほいなれと思ひて・山までは見ずとぞいひける・す
J09_0148B20: こしのことにも・先達はあらまほしき事なり・と兼好
J09_0148B21: もいへり・萬の事はしかしかの道の先賢の故實を貴
J09_0148B22: び・師説を受て學び行ふべし・さてこの大師も・源
J09_0148B23: 空は大唐の善導和尚のをしへにしたがひ選擇集に・善導一師に依るの
J09_0148B24: 明訓あり・思ふてしるべし・本朝の慧心の先德のすすめにまかせて・
J09_0148B25: 稱名念佛のつとめ・長日六萬返なりどの玉へり・か
J09_0148B26: くも導師の指揮を守り玉ふ故に善導大師面見來現ま
J09_0148B27: しまして・淨土の法門を相承し玉ひぬと・勅修の御
J09_0148B28: 傳には見えたり・「又或時語ての給はく・われ淨土宗
J09_0148B29: を立る心は・凡夫の報土にむまるることをしめさん
J09_0148B30: がためなり・天台によれば・凡夫淨土に生るることを
J09_0148B31: ゆるすに似たれとも・淨土を判ずることあさし・もし
J09_0148B32: 法相によれば・淨土を判ずることふかしといへども・
J09_0148B33: 凡夫の往生をゆるさず・諸宗の所談ことなりといへと
J09_0148B34: も・凡夫報土に生るることをゆるさざる故に・善導の

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