ウィンドウを閉じる

J1350 一枚起請弁述 義山 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0135A01: ひなからんやかく推徴して理を求むるに一流の相傳
J09_0135A02: 益益信受するに足らす心已に然り况や行法相續に於
J09_0135A03: てをや凡そ上人一代の御示を尋ぬるに一念多念を簡
J09_0135A04: ふ事なく心には助け給へと賴み口には名號を唱へよ
J09_0135A05: とて若は一念若は多念只依心行具足こそ往生の得
J09_0135A06: 不は定りたり南無と唱へなからも心にはさも思はさ
J09_0135A07: りしをばなど三業相應とは云ふへき本願念佛は聲に
J09_0135A08: 出すを本としけるも三業相應するを賴て也如是云
J09_0135A09: へはとて凡夫の習ひ念念この心相應相續せさるまま
J09_0135A10: 中間の數遍は無益になりて淨業決定せましなと不
J09_0135A11: 可疑始より相續せばやとは思ひ入れたれと凡夫の
J09_0135A12: 習ひ妄念の發るさに何時か忘れて思ひつづけねと因
J09_0135A13: 等起の力引連れて皆淨業となして决定する也されと
J09_0135A14: 巧みて後念をばなさすともとて自ら許してそれを怠
J09_0135A15: らは因等起の力彼れに障えられて中間に皆孤行とな
J09_0135A16: らん但但往生業の熟不は己か心の實と不實とによる
J09_0135A17: へしゆめゆめ心行具足を忽にすへからす
J09_0135B18: 此外におくふかき事を存せは二尊のあはれみに
J09_0135B19: はづれ本願にもれ候へし
J09_0135B20: この一段は正しく起請の文言を述へたり實に往生の
J09_0135B21: 大事をかけけれは誠に恐しき誓言なるをさのみ身に
J09_0135B22: そみて覺えさるこそ偏に祖師の思ひを忘れたる也上
J09_0135B23: 人の御志世に超え給ひて深く生死の出て難きを悲み
J09_0135B24: 偶往生の一路をこえて示し給ふされはこれをもて無
J09_0135B25: 上の寳珠なりと云はさらんや深く可 信世に誓ふ黑
J09_0135B26: 白の癩〓なんと良にこの類とするに非 有者也
J09_0135B27: 念佛を信せん人はたとひ一代の法を能能學すと
J09_0135B28: も一文不知の愚鈍の身になして尼入道の無智の
J09_0135B29: 輩に同して智者のふるまいをせすして只一向に
J09_0135B30: 念佛すへし
J09_0135B31: 凡そ念佛の一門に入て往生極樂の求路信佛力本
J09_0135B32: 願任身には不用學力智惠不加偏可賴他力也
J09_0135B33: 地前の菩薩より以下一切の凡夫報土に生るる事を得
J09_0135B34: るに就ては自力を用ゐてはとても叶はぬひたすら本

ウィンドウを閉じる