浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0134A01: | 外餘行を心にかけず念時日の分に隨て之を相續し一 |
J09_0134A02: | 度この門に入りし始より乃至臨終の夕に至る迄懈ら |
J09_0134A03: | す唱ふれは是れ即ち四修具さに備りて一稱一念の中 |
J09_0134A04: | を出てす然るに一流の相傳に行具の三心なんどと云 |
J09_0134A05: | ひて此一節を誤り傳へたりさても行具の三心なるへ |
J09_0134A06: | くばなどてか思ふ内にこめ給ふらん唱ふる内にとこ |
J09_0134A07: | そのべ給へりされは我流の正傳なるには御言をまつ |
J09_0134A08: | すぐに誦へて機具の三心とこそ習ひ侍るべき也之を |
J09_0134A09: | 三心四修の籠ると云ふ也行者の心念に相續して助給 |
J09_0134A10: | へと思ふ内にこそ三心も四修も籠りて念念毎に心行 |
J09_0134A11: | 具足す是れ本願に誓ひ給つる念佛なるへしもしそれ |
J09_0134A12: | 事を一心歸向の始にあづけて助け給への心なく而も |
J09_0134A13: | 本願に相叶ひ祖意に相應すと云ふ此念佛相續しける |
J09_0134A14: | をは念念毎に三心も四修も闕けりと云ふへき也釋に |
J09_0134A15: | は願孤行孤所至なしと見へけれは順次往生の正定業 |
J09_0134A16: | と難定凡そ本願の文の中には心行具足の念佛に於 |
J09_0134A17: | て始終をあらへる詞も見へす畧説しける願文なれと |
J09_0134B18: | も安心起行具さに分たり何の障りありて念念の歸向 |
J09_0134B19: | をきらへるそや若し本願を疑ひて自力を雜へなと云 |
J09_0134B20: | ふへくんはたとひ歸向の心を用ゐさるにも本より决 |
J09_0134B21: | 定の信なき輩の疑ひは除くまし始より信心具足の人 |
J09_0134B22: | に於てはたとひ念念に歸向すともなとかそれにより |
J09_0134B23: | て疑ひありとせんや疑の有無を云ふ事強て歸向の有 |
J09_0134B24: | 無にはよるましき也又若し歸向の心を先とせは必す |
J09_0134B25: | 疑ひあるへからす若し疑ひあらは初の一念歸向には |
J09_0134B26: | なと疑を含まさるや一念も多念も歸向は同しく歸向 |
J09_0134B27: | なるへし何そ始終を差別せんやもしそれ初の歸信を |
J09_0134B28: | 起すとも自力にはあらすなど云て本願の他力による |
J09_0134B29: | と立てらるへくは後後の歸向も他力によるへしもし |
J09_0134B30: | 然らずんは其所以云何果して其斷を得るに由なけん |
J09_0134B31: | もしさまでに不思議の願力なくんは一向に歸向せす |
J09_0134B32: | とも一稱くちに不思議還て思議に落ちたりと云ひつ |
J09_0134B33: | へし又それとても願力を加て疑を含まむ歸向の心を |
J09_0134B34: | 起らしめはなと念念後後の歸向をも佛力を備へて疑 |