浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0133A01: | る人ありけれは隨蓮房この法門に疑を起す上人夢中 |
J09_0133A02: | に來てこの疑を示し給ふ依て邪疑を拂ふと傳にも載 |
J09_0133A03: | せあり凡そ是等の念佛は上人の所立にあらすよくよ |
J09_0133A04: | く心得て所立の念佛を修すへき也 |
J09_0133A05: | 但往生極樂のためには南無阿彌陀佛と申て疑な |
J09_0133A06: | く往生するそとおもひとりて申外には別の子細 |
J09_0133A07: | 候はず |
J09_0133A08: | この一段は始終の骨目也一宗の安心起行示之於 |
J09_0133A09: | 中南無阿彌陀佛は起行を明す其餘の文句は皆往生 |
J09_0133A10: | 極樂の安心を明す先つ但しと云ふはこれまた縱容也 |
J09_0133A11: | 一には諸師の所立を簡て云へる言にして餘事なきを |
J09_0133A12: | 顯はす是れ即ち一節の諸句に通す二には所求の得益 |
J09_0133A13: | を擇ふ所謂成佛得悟のためにはいさ知らず只一筋に |
J09_0133A14: | 往生のために但た往生極樂のため等と云ふ也この一 |
J09_0133A15: | 句廻向心の意を含む上人廻向心を釋して終日自他身 |
J09_0133A16: | につき今後世の爲にし餘の淨土にも都率天にも向は |
J09_0133A17: | す唯一向に極樂に往生せんと可廻向也とこそ或人 |
J09_0133B18: | に示し給ふさても心をふらずして唯爲極樂往生心 |
J09_0133B19: | 得なば是れまた發願心とも可知如是料簡すれは唯 |
J09_0133B20: | 一向に南無阿彌陀佛と申につきて往生は决定するそ |
J09_0133B21: | と思ひ取るへし又この一句至誠心を含めりと云ふ心 |
J09_0133B22: | は今世には名聞利養の爲に人目を飾るなかだちにな |
J09_0133B23: | さす唯往生のためと計りに思ひ入て直成に手を合せ |
J09_0133B24: | 南無阿彌陀佛と可申也さればまことしく往生極樂 |
J09_0133B25: | のためにし南無阿彌陀佛と申につきては往生は疑な |
J09_0133B26: | きぞと思ひ入るへしと也かく兩樣に料簡あれとも但 |
J09_0133B27: | と云へるは一向にかぎるへし疑なくとは深心を明す |
J09_0133B28: | 也往生するそと思ひとりてとは廻向心也また深心至 |
J09_0133B29: | 誠心も兼ねたり然れは三心と云へるも助け給への一 |
J09_0133B30: | 念にあることなれはこの一向に皆具足する也 |
J09_0133B31: | 但三心四修と申事の候は皆决定して南無阿彌陀 |
J09_0133B32: | 佛にて往生するそと思ふ内に籠り候也 |
J09_0133B33: | まことしく往生を願へは助け給へと唱ふる念佛の一 |
J09_0133B34: | 念に三心は具足する也又深く本願力を仰きて念佛の |