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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0107A01: に曰・何知萬里水・初發濫觴時・云云
J09_0107A02: 若は僧にもあれ・若は俗にもあれ・念佛の行者なら
J09_0107A03: ば・先づ數遍を第一とすべし・古へ鞍馬寺の・重怡
J09_0107A04: 上人は・四千日の間・日毎に念佛十二萬遍を稱へ給
J09_0107A05: ふ・隆堯法印は日課の稱名・八萬四千遍なり・かか
J09_0107A06: る數遍の行者・今の世にはあるべくも思はざりしに・
J09_0107A07: 近き比・洛陽誓願寺より出て・壬生の邊に住める念
J09_0107A08: 佛の僧あり・日所作八萬四千也・又丹波の國に隱れ
J09_0107A09: 居たまへる・義高高雲の二比丘・日課の念佛十萬遍な
J09_0107A10: りと語りし人あり・志深ければ捨て難を能く捨て・
J09_0107A11: 作難を能く作し侍る也・長明が言の如く・末の世の
J09_0107A12: 人とても・必ずしも人毎に下根なるにもあらず
J09_0107A13: 人善惡を爲すこと多くは朋友に隨ふ・輔行に增一を
J09_0107A14: 引いて云・若人初無惡・親近於惡人・後必成惡人・
J09_0107A15: 惡名徧天下・善知識反之・云云・涅槃經に云・闍王
J09_0107A16: 不逢耆婆當墮阿鼻・云云・昔露地に在りて・坐禪せ
J09_0107A17: し僧・惡縁に遇て俗に還り・衰えて屠兒と成り・左
J09_0107B18: の手に肉を持ち・右の手に利刀を提げ市より我屋に
J09_0107B19: 歸る途中にて古への同行の僧の羅漢と成りしに逢ひ
J09_0107B20: 此の羅漢の勸化に依りて・忽に心を變じ肉と利刀を
J09_0107B21: 捨て羅漢に伴ひ行き・再び道を修し果を得たりと云
J09_0107B22: ふ事・唐の僧傳に見えたり又古へ具利迦羅の軍の時・
J09_0107B23: 二十餘人の兵ども・實盛と同日に戰死し・佳名を遐
J09_0107B24: 代に殘せるも景久が一言を用いしに依りて也・世出
J09_0107B25: 世の人共に友は擇んで交るべきこと也・人の心は・縁
J09_0107B26: に隨つて變じ易し・故に戴淵志を變して將軍の位に
J09_0107B27: 登れり・澄憲の云・一念顚倒・獄卒振鐵杖・十念成
J09_0107B28: 就・聖衆傾蓮臺・云云・
J09_0107B29: 唐に慈湛と云ふ僧あり・荊州の人なり・在俗の時家
J09_0107B30: 富み常に射獦を好み・酒肉を食す・生年二十八林野
J09_0107B31: に遊んで禽獸を射る・雉Gの中に在るを見て弓を執
J09_0107B32: り矢を番ひ是を射んと擬す・雉都て不動數步足を進
J09_0107B33: めて近づくに・目に血の涙を浮へ・悲嗚竪毛して・
J09_0107B34: 敢て飛騰せず・これを異として矰を端して親しく見

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