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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0106A01: 邪見の人といふ・通總の邪見の人・意樂起惡の者は往
J09_0106A02: 生すといへども・別邪見を起す者は・往生を遂けず・
J09_0106A03: 通總の邪見と云は・十惡に列ぬる所の邪見也・意樂
J09_0106A04: 起惡といふは・斷一切惡の思なき屠沽の下類の事也
J09_0106A05: 止惡修善の・正見に住せよと云は・淨家の常談也・
J09_0106A06: 諸惡莫作・衆善奉行・自淨其意・是諸佛敎の四句は迦
J09_0106A07: 葉佛の偈也・文は增一阿含・涅槃經に出でたり・義
J09_0106A08: は七佛の通誡也法華玄義の節要に云・自淨其意と云
J09_0106A09: ふは・即是破諸邪倒・了知世間出世間因果正助法
J09_0106A10: 門・能消除心垢・淨諸瑕穢・豈過於慧・佛法曠海・此
J09_0106A11: 三攝盡・云云・古への淨土の祖師玄忠・西河・光
J09_0106A12: 明・千福等・皆持戒の人也・觀念法門に云・欲生淨
J09_0106A13: 土・唯須持戒念佛・般舟讃に曰・戒行專精諸佛讃・臨
J09_0106A14: 終華座自來迎・云云・往生要集の中にも・戒を勸め
J09_0106A15: 給ふ詞あり・又上人の曰・十重を持て・十念を唱へ
J09_0106A16: よ・四十八輕を護つて四十八願を賴むは心に深くこ
J09_0106A17: ひねがふ所也・云云・衆生の根機・一つにあらず・之
J09_0106B18: に依りて戒を持つの多少は・佛機に隨つて許し給ふ・
J09_0106B19: 十善戒を一念持つを下品とし・一食の間持つを・中
J09_0106B20: 品とし・旦より午に至るを上品とすと・經に見えた
J09_0106B21: り・又三歸ばかりを受けて五戒を受けざる人をも・
J09_0106B22: 優婆塞と名くと・未曾有經に見えたり・一惡をも遮
J09_0106B23: すべければ・一支も戒を成ずる事を得・大乘には一
J09_0106B24: 分受を許せり・縱ひ劣機の人とても戒の持ち難きに
J09_0106B25: はあらず・持たんと思ふ志のなき也・己を輟て人を
J09_0106B26: 惠むを施と名くと侍れば・貧しき身なりとても施の
J09_0106B27: 行じがたきにもあらず・又持戒の人は・其の心悔い
J09_0106B28: あらす・五戒全ければ・身に於て恐なく・心に於て憂
J09_0106B29: なし・南山大師の曰・能斷財色・名爲奉律・云云・瑜
J09_0106B30: 伽論に云・諸愛之中欲愛爲最・若能治彼・餘自然
J09_0106B31: 伏・如制強力・劣者自伏云云・善惠大士の錄に云・
J09_0106B32: 欲得早成・戒心自律・云云・戒を持たざれば・萬
J09_0106B33: に障多くして・願行共に成じがたし・摩訶止觀に曰・
J09_0106B34: 吉羅雖小開放逸門・云云・涓涓たるを防ぐべし・古

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