浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0105A01: | 宜・不如念佛・時者、行住坐臥也、處者、見色聞聲之處也、唯識疏曰、常者、一切時義 |
J09_0105A02: | 又阿彌陀の三字には三身の德を具足す・又佛金蓮の |
J09_0105A03: | 三部の種子眞言なり・一切の眞言の功德も・三字の中 |
J09_0105A04: | に具せずといふ事なし |
J09_0105A05: | 何れの敎に依りて修する人にもあれ先つ師に隨つて |
J09_0105A06: | 其宗の正義を知るべし・諸宗共に正義不正義のある |
J09_0105A07: | は燕石には惑ひ易く隋珠は・見知りがたきに依つて |
J09_0105A08: | 也・法相宗には西明慈恩の傍正あり・天台宗には四 |
J09_0105A09: | 明山外の正不あり・密敎・震旦には・唐の末に衰へ |
J09_0105A10: | 宋の初めに絶ゆ唯た日域のみ轉た熾なり・然に此の |
J09_0105A11: | 國の古へすら・立川の流れに沈みし人あり・砂石集に書げる、 |
J09_0105A12: | 土眞言といふ類也淨土宗吉水の流義と號する人の中に・一念多 |
J09_0105A13: | 念の不正義を是とする人あり・一念義は・法體の德 |
J09_0105A14: | を知て・機の堪とを忘れたる也・多念義は・ |
J09_0105A15: | 機の堪不を知りて法體の德を知らざる也小倉の入道 |
J09_0105A16: | の往生は最初の一念に决定せり・報命の盡きざれば・ |
J09_0105A17: | 依身の未た消えざるばかり也といへるは・上人の御 |
J09_0105B18: | 義に能く叶へり・一念義に混同すべからず・ |
J09_0105B19: | 又當時念佛者の中に佛願に誇りて・罪を恐れぬ人あ |
J09_0105B20: | るを・上人勸化の誤也と云人あり・是は機の失なり・ |
J09_0105B21: | 敎の失にはあらず儒の賊あり佛の賊あり夫子釋尊の |
J09_0105B22: | 敎の失にはあらず・眞言宗に表德誇の人あり・豈に |
J09_0105B23: | 弘法大師の咎ならんや・向阿の云・罪を恐れぬもの |
J09_0105B24: | は身のわろきをしらず・身のわろき事を忘れぬれば |
J09_0105B25: | 亦助け給へと思ふ心もなし・助け給へと思ふ心を勸 |
J09_0105B26: | めん爲にも・殊に罪業を恐るべき也・本願に誇りて罪 |
J09_0105B27: | を心安く思はん人は・初めは信心のあるに似たりと |
J09_0105B28: | も後には助給への心もなくなるべし・能く能く用意 |
J09_0105B29: | あるべき事をや・又云・罪人は往生すれども・罪業 |
J09_0105B30: | は往生の碍也・身をば卑下すべからず罪をば恐るべ |
J09_0105B31: | し・云云・上人云罪は十惡五逆も・往生すと知りて |
J09_0105B32: | 小罪をも作らじと思ふべし・乘願上人の曰・念佛は |
J09_0105B33: | 罪に碍えられねども・罪をだにも造れば信は薄く成 |
J09_0105B34: | る也・云云・罪に於て過無しと思ふ心を起す人を別 |