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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0105A01: 宜・不如念佛・時者、行住坐臥也、處者、見色聞聲之處也、唯識疏曰、常者、一切時義
J09_0105A02: 又阿彌陀の三字には三身の德を具足す・又佛金蓮の
J09_0105A03: 三部の種子眞言なり・一切の眞言の功德も・三字の中
J09_0105A04: に具せずといふ事なし
J09_0105A05: 何れの敎に依りて修する人にもあれ先つ師に隨つて
J09_0105A06: 其宗の正義を知るべし・諸宗共に正義不正義のある
J09_0105A07: は燕石には惑ひ易く隋珠は・見知りがたきに依つて
J09_0105A08: 也・法相宗には西明慈恩の傍正あり・天台宗には四
J09_0105A09: 明山外の正不あり・密敎・震旦には・唐の末に衰へ
J09_0105A10: 宋の初めに絶ゆ唯た日域のみ轉た熾なり・然に此の
J09_0105A11: 國の古へすら・立川の流れに沈みし人あり・砂石集に書げる、
J09_0105A12: 土眞言といふ類也淨土宗吉水の流義と號する人の中に・一念多
J09_0105A13: 念の不正義を是とする人あり・一念義は・法體の德
J09_0105A14: を知て・機の堪とを忘れたる也・多念義は・
J09_0105A15: 機の堪不を知りて法體の德を知らざる也小倉の入道
J09_0105A16: の往生は最初の一念に决定せり・報命の盡きざれば・
J09_0105A17: 依身の未た消えざるばかり也といへるは・上人の御
J09_0105B18: 義に能く叶へり・一念義に混同すべからず・
J09_0105B19: 又當時念佛者の中に佛願に誇りて・罪を恐れぬ人あ
J09_0105B20: るを・上人勸化の誤也と云人あり・是は機の失なり・
J09_0105B21: 敎の失にはあらず儒の賊あり佛の賊あり夫子釋尊の
J09_0105B22: 敎の失にはあらず・眞言宗に表德誇の人あり・豈に
J09_0105B23: 弘法大師の咎ならんや・向阿の云・罪を恐れぬもの
J09_0105B24: は身のわろきをしらず・身のわろき事を忘れぬれば
J09_0105B25: 亦助け給へと思ふ心もなし・助け給へと思ふ心を勸
J09_0105B26: めん爲にも・殊に罪業を恐るべき也・本願に誇りて罪
J09_0105B27: を心安く思はん人は・初めは信心のあるに似たりと
J09_0105B28: も後には助給への心もなくなるべし・能く能く用意
J09_0105B29: あるべき事をや・又云・罪人は往生すれども・罪業
J09_0105B30: は往生の碍也・身をば卑下すべからず罪をば恐るべ
J09_0105B31: し・云云・上人云罪は十惡五逆も・往生すと知りて
J09_0105B32: 小罪をも作らじと思ふべし・乘願上人の曰・念佛は
J09_0105B33: 罪に碍えられねども・罪をだにも造れば信は薄く成
J09_0105B34: る也・云云・罪に於て過無しと思ふ心を起す人を別

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