浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0104A01: | 者・命限有りて・七念八念の時終るべきものは・自然 |
J09_0104A02: | に一息の功を加へて延年轉壽し・必す十を滿じて生 |
J09_0104A03: | ずる也・其時俄に佛け力らを加へ給ふにあらず・本 |
J09_0104A04: | 願成就の故に今は念佛法體の德と成りて・任運に十 |
J09_0104A05: | を滿じて往生する也・此の十念の事を傳通記に委し |
J09_0104A06: | く記せり・糅鈔に細判ありて・具には述聞口決鈔の |
J09_0104A07: | 如しと書けり・口決鈔を見ても・猶不審殘らば・心具 |
J09_0104A08: | 决定往生義を見るべし・要は唯た南無あみた佛と申 |
J09_0104A09: | せば・必す生ずるぞと信して唱ふる外には・別の子細 |
J09_0104A10: | なき也 |
J09_0104A11: | 性宗には何れの宗にも易勝の義を立つといへども・ |
J09_0104A12: | 智者の前には易也・愚者の前には易にあらず・密は |
J09_0104A13: | 智愚共に易也・然るに後禪林寺は・三密の棟梁也・ |
J09_0104A14: | 彼の言に曰・念佛の出離は眞言よりも易し云云・念 |
J09_0104A15: | 佛は佛の異の方便也・士農工商の・身に暇なき人も |
J09_0104A16: | 常に厭欣の思に住し・心の中に密に極樂を念じ・佛助 |
J09_0104A17: | け給へと思ひ居る事は竹密流水の過ぐるを妨ぐる事 |
J09_0104B18: | なきが如くにて・事繁き中とても少しも碍ゆるもの |
J09_0104B19: | なし・若は重き病を受け・躰に苦みのある時も・助給 |
J09_0104B20: | へと思ふ事は・思ひ易き心品なり・眞如堂の如來・ |
J09_0104B21: | 貞國か夢に告させ給ふ御歌・ |
J09_0104B22: | 心だに立てし誓に叶ひなば |
J09_0104B23: | 世のいとなみはとにもかくにも |
J09_0104B24: | 此の歌は彼の寺の縁起に見えたり・雨夜の月と詠じ |
J09_0104B25: | 給ふも・同じ如來の御歌也・是は玉葉集に見えたり・ |
J09_0104B26: | 上人の曰・求名利雖趨朝市係念極樂・當隙念佛 |
J09_0104B27: | 往生人・云云・决答疑問鈔に云・助け給へと思ふに |
J09_0104B28: | は・滅罪の邊も籠り生善の邊も收まり出離の方も籠 |
J09_0104B29: | り・往生の方も收まる本願の至心信樂・彌疑殆無き者 |
J09_0104B30: | 歟・然に或人は此の義を許さず・四十八願便ち是れ |
J09_0104B31: | 徒語也・何そ信受無き哉・云云・惠心の云・易行道 |
J09_0104B32: | 者念佛也・又曰・念佛於諸行中・易修證上位・知是 |
J09_0104B33: | 最勝行・又云・男女貴賤・不簡行往坐臥・不論 |
J09_0104B34: | 時處諸縁・修之不難・乃至臨終・願求往生・得其便 |