浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0103A01: | 其器に非ざれは妄りに授傳することを制すと釋せり |
J09_0103A02: | 悲門に依る時は・四重八重・五無間罪・謗方等經一 |
J09_0103A03: | 闡提等の・種種の重罪を造るを・銷滅を得せしめん |
J09_0103A04: | 爲に諸の陀羅尼藏を説き給ふ・興敎大師曰・顯非 |
J09_0103A05: | 智不成・密誦呪成佛・云云・三昧に住せざれども・ |
J09_0103A06: | 觀想成せざれども・唯た信じて呪を唱ふれば所願を |
J09_0103A07: | 成ずと云事・經の文分明也・眞言は上下の根機に通 |
J09_0103A08: | ずといへども當機とする所・本願念佛には異なり・ |
J09_0103A09: | 彌陀の本願は本は凡夫の爲にし兼て聖人の爲にす・ |
J09_0103A10: | 上人一卷の書を著はし・往生を遂ぐる機・十六人を |
J09_0103A11: | 擧けたまふ・其の一に曰・愚鈍念佛第一の機・云云・ |
J09_0103A12: | 是を淨土宗の正機とす・如空上人の歌に・ |
J09_0103A13: | 西へ行く道のしるべは中中に |
J09_0103A14: | 唯た愚なる心なりけり |
J09_0103A15: | 賢珠上人の歌に・ |
J09_0103A16: | 濁る世の人の心をそのままに |
J09_0103A17: | 捨てぬ誓を賴む許りぞ |
J09_0103B18: | 念佛に經意の六字と云事あり・命終らんとする時・名 |
J09_0103B19: | 號を唱ふるに舌も廻らず聲にも出でざれども・名號 |
J09_0103B20: | を唱ふると思うて念佛を申すを・經意の六字といふ・ |
J09_0103B21: | 是れ則ち口稱の攝也觀念にはあらず・此の如きの人 |
J09_0103B22: | すら往生を遂ぐ・況や聲に出して分明に唱ふる人を |
J09_0103B23: | や |
J09_0103B24: | 又觀經に・至心令聲不絶具足十念・稱南無阿彌陀佛 |
J09_0103B25: | と説き給ふ・此の十聲は・十願十行也・願行具足の |
J09_0103B26: | 故に・即得往生なるを・古へ通論家の人・別時意趣 |
J09_0103B27: | と判ぜり・別時意と云は今得ざれども、終には得べき道理决定なるゆへ因中に果を説き、今得るやうに談ずるをいふ |
J09_0103B28: | 天台光明等の師・下下品の十聲は・別時意に非すと |
J09_0103B29: | 釋して・通論家の義を破し給ふ・又下下品・心想・ |
J09_0103B30: | 羸劣の逆者は・必す十を滿じて往生す・般舟讃云・ |
J09_0103B31: | 聲聲連注滿十念・念念消除五逆障・群疑論云・必須 |
J09_0103B32: | 滿十・闕一不生・云云・別機の逆者は一念にも生 |
J09_0103B33: | ずる也・天台觀經の疏に云・十念或一念・飛錫の寳 |
J09_0103B34: | 王論に云・心盛不昧一念可生・云云・下下品の逆 |