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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0102A01: 陵に遊び法皷の聲を聞き忽然として頴悟す・海手を
J09_0102A02: 埀るるの旨趣を知る・阿靈山に歸つて五偈を呈す・當
J09_0102A03: 陽に抛下破木杓と云は・五偈の中の句也・海所證を
J09_0102A04: 印す・覺阿ノ事、見普燈錄、五燈會元、遠瞎錄、五燈嚴統釋摩訶衍論には・元品の
J09_0102A05: 無明を・不思議薰と名く・密敎には・三妄執の外に・
J09_0102A06: 微細妄執を談ず・是を菩提心論に・無始の間隔と説
J09_0102A07: 給ふ・諸尊各各三昧の異は・此の一隔の作也・極細
J09_0102A08: 妄執の事は秘經の中に委く説給ふといへり・師に隨
J09_0102A09: つて問ふべし・吽字義云凡夫不觀諸法本源・故妄
J09_0102A10: 見有生・所以隨生死流・不能自出・云云・又云・
J09_0102A11: 見本不生際者是如實知自心・云云・涅槃經に云・
J09_0102A12: 無明轉即變爲明・淨名云無明即是明・摩訶止觀に曰
J09_0102A13: 法性變爲無明輔行曰・法性無明爲本・云云・明に
J09_0102A14: 迷ふ故に無明を起す・若し無明を解れば・即ち是れ
J09_0102A15: 明なり・冰是れ水・水是れ冰なるが如し・圓敎を學
J09_0102A16: ぶ者は・無明即明と云ふ事に・疑はなしといへども・
J09_0102A17: 此の地に居る事難し・此に至つて機を知る事・要な
J09_0102B18: るべし・我れ此の地を蹈得すべしやと・身を省るべ
J09_0102B19: し・昔し唐の僧十二年・道を修すれども未だ證を得ず
J09_0102B20: 殆ど慚愧すといひし人あり・我れ一生道を修せば證
J09_0102B21: を得べしや・又は極めて大に遲き者は三生を出でず
J09_0102B22: と云ふ人の數に入るべき身なりや否やと・我が身の
J09_0102B23: 上を測知るべし・古人は我か機を能く知りたる也・韓
J09_0102B24: 非子に曰・西門豹性急故佩韋以自緩董安于性緩
J09_0102B25: 故佩弦以自急・云云・莊子に曰・知愚非大愚・此
J09_0102B26: の心を古歌に・
J09_0102B27: 愚なる我身といかで知りぬらん
J09_0102B28: 思ひわくべき心ならぬに
J09_0102B29: 淨土家の心は・黑白をわきまへず・おめおめと佛の
J09_0102B30: 本願を賴みて平に念佛する人を好とす・愚癡の凡夫
J09_0102B31: 悉く當機也・密宗には大度量勇鋭にして惑無き者を
J09_0102B32: 當機とし・其餘を結縁機と呼ぶ・大日經は智門也六度
J09_0102B33: 經は悲門也・智門に依る日は菩提心論には衆生愚朦
J09_0102B34: ならは強ひて度す可らすと説き・不可思議の疏には・

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