浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0100A01: | 事を思ふべし |
J09_0100A02: | 又當今念佛を唱ふる人の中に日比勇猛精進なる行者 |
J09_0100A03: | とも見えず・後世者とも呼ばれざる人の臨終に瑞相 |
J09_0100A04: | のありしあり又慈悲心も深く・智者道者にて聊かも |
J09_0100A05: | 虚假の心もなく愚癡に還りて念佛したる人の・終焉 |
J09_0100A06: | の夕べに・何の驗のなきもあり・顯機冥應の四句あ |
J09_0100A07: | れば・不審もなき事也・此の四句出法華玄義兼好が言の如く・ |
J09_0100A08: | 己れ違ふ所なくは・人の見聞けにはよるべからず・向 |
J09_0100A09: | 阿の云・異香よりも紫雲よりも・南無あみだ佛と稱 |
J09_0100A10: | ふる聲に過たる往生のしるしやは侍るべき・云云・又 |
J09_0100A11: | 橘の守助が類の人にやありけん・惡人と見えし人の・ |
J09_0100A12: | 臨終正念にして・名號を唱へ往生を遂けたるあり・ |
J09_0100A13: | 又十二門戒儀如法の大衣の篋底に蓄へ置きし人の |
J09_0100A14: | 類ひにやありけん・善人と見えし人の臨終の惡しき |
J09_0100A15: | もあり・又佛道を行する人に・外染内淨の人あり・ |
J09_0100A16: | 内外倶淨の人あり・此四句見持犯要記又念佛者に・外虚内 |
J09_0100A17: | 實の人・或は半虚半實の人・又は始虚終實等の人あ |
J09_0100B18: | り・此れ等の四句は記主上人の領解に出たり臨終のみならず・人の心は知り |
J09_0100B19: | 難きものにや・聖人すら猶病めり・又聖と同居すれ |
J09_0100B20: | どもしらざるは凡夫也・頴川の民・許由を盜かと疑 |
J09_0100B21: | ひ・皮冠を隱せりと云事あり・又縱ひ師となる人な |
J09_0100B22: | りとも・毱多尊者の如くに・觀機三昧を得ざる人は |
J09_0100B23: | 波離の螢光罪結を增す如きの失もあるべし・傍より |
J09_0100B24: | 人の根機は量り難き事なれば自ら我か機を知りて機 |
J09_0100B25: | 敎相應の法を修すべし・又我機を測り知つて機敎相 |
J09_0100B26: | 應の法を修するを・自暴自棄也と云人あり・自棄と |
J09_0100B27: | 機を知るとは別なるべし・一切衆生悉有佛性の金言 |
J09_0100B28: | を信ぜず・我れ凡夫なれば・佛に成るべからずと思 |
J09_0100B29: | はば自棄なるべし・後京極攝政の歌に・ |
J09_0100B30: | 種しあれば佛の身とも成りぬべし |
J09_0100B31: | 岩にも松は生うるならひに |
J09_0100B32: | 台敎に・佛衆生に佛性ありと説き給ふ・若し佛性な |
J09_0100B33: | くは・過を佛に屬すべし・若し衆生迷惑して・佛の |
J09_0100B34: | 敎を不受は・過を衆生に屬すべしといへり・涅槃經 |