浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0099A01: | 三心を具せざる也・之に依りて易往無人とは説給ふ |
J09_0099A02: | なるべし・ |
J09_0099A03: | 彌陀如來の御慈悲の深きは・四十八願の中に・念佛 |
J09_0099A04: | 往生の願を立てて萬機を漏さず救ひ給ふ・第十八の |
J09_0099A05: | 願の文に・十方衆生と説給ふ・異譯の經には十方衆 |
J09_0099A06: | 生蜎飛蝡動とある也・鸚鵡〓鵒の往生を遂けたる事・ |
J09_0099A07: | 唐の往生傳に見えたり・佛祖統紀の中にも惡輩往生 |
J09_0099A08: | 傳あり禽獸往生傳あり・見るべし・又第十九に來迎 |
J09_0099A09: | 引接の願を立てて臨終の危を救ひ・行者に正念を得 |
J09_0099A10: | せしめ給ふ・又佛智を疑ふ咎ありて・九品の埒に入 |
J09_0099A11: | らざる者の爲には邊地を構給ふ・又邊地にも入らざ |
J09_0099A12: | る者の爲に・懈慢國を構給へり・向阿云・なま具し |
J09_0099A13: | なる三心は邊地懈慢に生ず・云云・又第十八の願に |
J09_0099A14: | 漏るる者の爲に第二十に係念定生の願を立給ふ・此 |
J09_0099A15: | 係念と云ふを先德・未入三心・少分欣求とも判じ又 |
J09_0099A16: | は三心退者なるべしともいへり・第二十の願を・三 |
J09_0099A17: | 生果遂の願とも名づく・三生といふは近きに依つて |
J09_0099B18: | 名を立つ・四生五生にも通ず・心行具足せざる・孤 |
J09_0099B19: | 願孤行の人は順次の往生は遂けずといへども・一と |
J09_0099B20: | 度も南無あみだ佛と唱へ・一念も極樂に心を係けた |
J09_0099B21: | る人は永く生死に沈淪せず順後に往生を遂ぐる也・ |
J09_0099B22: | 呑鈎の魚の・水にある事久しからざるが如し・若し |
J09_0099B23: | 心行具足の人ならば・學問等の諸の縁務を息めて一 |
J09_0099B24: | 心に念佛し・極樂に生じて・早く無生忍を得へし・ |
J09_0099B25: | 若し忍を得ば・何れの敎をか解せざるべき・玅樂大 |
J09_0099B26: | 師の曰・至六根淨位・學應不難云云・楞嚴云阿難 |
J09_0099B27: | 白佛言我輩愚鈍・好爲多聞・云云・一念に無量の罪 |
J09_0099B28: | を滅する名號を唱ずして・いくばくならぬ智慧を求 |
J09_0099B29: | め文に向つて日を消し・又は餘事に紛れて時を移す |
J09_0099B30: | は・漸機の人といふべし・德山和尚は龍潭禪師に相 |
J09_0099B31: | 見し・佛心を悟つて後自述せる金剛經の疏鈔を打破 |
J09_0099B32: | せり・玄忠大師は・流支三藏に遇ひ・觀經を得たる |
J09_0099B33: | 即座に仙經を燒き棄給へり・此れ等の師の機の頓な |
J09_0099B34: | る事鞭影を見て行く馬の如し・賢を見て齊しからん |