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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0099A01: 三心を具せざる也・之に依りて易往無人とは説給ふ
J09_0099A02: なるべし・
J09_0099A03: 彌陀如來の御慈悲の深きは・四十八願の中に・念佛
J09_0099A04: 往生の願を立てて萬機を漏さず救ひ給ふ・第十八の
J09_0099A05: 願の文に・十方衆生と説給ふ・異譯の經には十方衆
J09_0099A06: 生蜎飛蝡動とある也・鸚鵡〓鵒の往生を遂けたる事・
J09_0099A07: 唐の往生傳に見えたり・佛祖統紀の中にも惡輩往生
J09_0099A08: 傳あり禽獸往生傳あり・見るべし・又第十九に來迎
J09_0099A09: 引接の願を立てて臨終の危を救ひ・行者に正念を得
J09_0099A10: せしめ給ふ・又佛智を疑ふ咎ありて・九品の埒に入
J09_0099A11: らざる者の爲には邊地を構給ふ・又邊地にも入らざ
J09_0099A12: る者の爲に・懈慢國を構給へり・向阿云・なま具し
J09_0099A13: なる三心は邊地懈慢に生ず・云云・又第十八の願に
J09_0099A14: 漏るる者の爲に第二十に係念定生の願を立給ふ・此
J09_0099A15: 係念と云ふを先德・未入三心・少分欣求とも判じ又
J09_0099A16: は三心退者なるべしともいへり・第二十の願を・三
J09_0099A17: 生果遂の願とも名づく・三生といふは近きに依つて
J09_0099B18: 名を立つ・四生五生にも通ず・心行具足せざる・孤
J09_0099B19: 願孤行の人は順次の往生は遂けずといへども・一と
J09_0099B20: 度も南無あみだ佛と唱へ・一念も極樂に心を係けた
J09_0099B21: る人は永く生死に沈淪せず順後に往生を遂ぐる也・
J09_0099B22: 呑鈎の魚の・水にある事久しからざるが如し・若し
J09_0099B23: 心行具足の人ならば・學問等の諸の縁務を息めて一
J09_0099B24: 心に念佛し・極樂に生じて・早く無生忍を得へし・
J09_0099B25: 若し忍を得ば・何れの敎をか解せざるべき・玅樂大
J09_0099B26: 師の曰・至六根淨位・學應不難云云・楞嚴云阿難
J09_0099B27: 白佛言我輩愚鈍・好爲多聞・云云・一念に無量の罪
J09_0099B28: を滅する名號を唱ずして・いくばくならぬ智慧を求
J09_0099B29: め文に向つて日を消し・又は餘事に紛れて時を移す
J09_0099B30: は・漸機の人といふべし・德山和尚は龍潭禪師に相
J09_0099B31: 見し・佛心を悟つて後自述せる金剛經の疏鈔を打破
J09_0099B32: せり・玄忠大師は・流支三藏に遇ひ・觀經を得たる
J09_0099B33: 即座に仙經を燒き棄給へり・此れ等の師の機の頓な
J09_0099B34: る事鞭影を見て行く馬の如し・賢を見て齊しからん

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