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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0098A01: 佛子たらん人は疑ふまじき事也・又阿彌陀經は・無
J09_0098A02: 問自説也・佛舍利弗に對して説給ふ此尊者一句の問
J09_0098A03: なし・疑ふ事のなければ也・又大經に云・阿難白佛・
J09_0098A04: 我不疑此法・伹爲將來衆生・欲除其疑惑故問
J09_0098A05: 此義・云云・智慧第一の舍利弗も是を信じ・多聞
J09_0098A06: 第一の阿難も疑ふ事なしと宣へり・此上にも猶疑心
J09_0098A07: あらば・所求極樂所歸彌陀安心三心起行念佛作業四修の中に於て
J09_0098A08: 何れに不審あるぞと我が心を搜り見・其の後或は淨
J09_0098A09: 土門の書籍を披閲し・又は師に隨て疑を决すべし・上
J09_0098A10: 人の曰・聖敎鏡を掛けたり・云云・長西錄に所載の淨
J09_0098A11: 土の經論疏鈔・大半世に流布す・其中に决疑門の一
J09_0098A12: 章を立たるも多し・再三披見せば・疑は殘るべから
J09_0098A13:
J09_0098A14: ある人問うて曰・光明黑谷の敎をきけば・三心も具し
J09_0098A15: 易く・往生も一定と思ひ易し・其の上・經に易往易修
J09_0098A16: とも説き・生ずる者無數とも説給ふ・然に大經に・易
J09_0098A17: 往而無人と説給ふ・此文をば如何が心得侍るべき・
J09_0098B18: 答て曰・易往無人と云は・三心を具せざれば・生ぜ
J09_0098B19: ざるに依つて也・
J09_0098B20: いかにせん日は暮方に成りぬれど
J09_0098B21: 西へ行くべき人のなき世を
J09_0098B22: 是は淸水の觀音の御歌となん・玉葉集に見えたり・
J09_0098B23: 延寳年中に・洛中洛外の・淨土宗の數を記せるを見
J09_0098B24: れば・鎭西西山二流の道俗を合して・十九萬七千七
J09_0098B25: 百六十餘人也・此の外に大念佛宗・一向宗・時宗・
J09_0098B26: 眞盛派・四宗兼學の徒などいひて・彌陀に歸し・念
J09_0098B27: 佛する人多し・其中に於て・具三心の人を尋ねば・
J09_0098B28: 甚だ尠かるべし・名號一萬二萬を唱へながら・我が
J09_0098B29: 機の拙に疑を起し・往生を一定と思はね人あり・此の人は
J09_0098B30: 善導の敎給ふ、信機と云ふ事を不知也又初め愚なる時は三心具足の念佛者
J09_0098B31: にて・决定往生の人なりしに憖に聖道の法門を聞き
J09_0098B32: 小智を得たるが害となり・三心に疵付き・不定往生の
J09_0098B33: 人と成れるあり・是は黠が碍と成て、別行別解の人に誑さるる類也又學者の中に・
J09_0098B34: 圓頓墮の人あり・圓頓墮の事は、西方合論に見えたり如此種種の碍ありて

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