浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0097A01: | 又は得難き身をいかにせん |
J09_0097A02: | 西行法師は・こりずやたれも亦しづむべきとよめり・ |
J09_0097A03: | 時も亦得がたうして・失ひやすし・安樂集に・引淨 |
J09_0097A04: | 度菩薩經云・人間五十年夜消其半・幾時修道業・ |
J09_0097A05: | 鶴林玉露には・夜不寢・一月得四十五日・と書け |
J09_0097A06: | り・躬恒が歌に |
J09_0097A07: | かくばかりおしと思ふ夜を徒に |
J09_0097A08: | ねて明すらん人さへぞうき |
J09_0097A09: | 無常迅速也・三惡の火坑足下にあり・空しく月日を送 |
J09_0097A10: | るべらず・常に能く念佛して・速に安養に生ぜん事 |
J09_0097A11: | を思ふべし・極樂には・無四時春秋冬夏・不寒不熱 |
J09_0097A12: | 無有衆苦・但受諸樂・往生論に云・永離心身惱 |
J09_0097A13: | 受樂常無間・又云・衆生所願樂・一切能滿足・云 |
J09_0097A14: | 云・彼の國は樹林垂瓔風塵雅曲あり心を洗ふ甘露水 |
J09_0097A15: | 目を悅ばしむる妙華雲畵工も寫し得べからず・任使 |
J09_0097A16: | 詩歌の堪能也とも爭でか詞にいひあらはすべき・佛 |
J09_0097A17: | すら説盡すべからずと宣へり・善導大師の曰・如此 |
J09_0097B18: | 逍遙快樂處・更貪何事・不求生・云云・其の求め |
J09_0097B19: | ざる所以を尋ねば・唯目の前の花鳥の・色音に移り |
J09_0097B20: | て・紛れ暮す也・古の人は棄てし所なきにあらず・樂 |
J09_0097B21: | 天酒悲の人となれり・此の翁晩年經を看福を作す事 |
J09_0097B22: | を息めて唯阿彌陀を念ず・西行亦號圓位か歌に |
J09_0097B23: | 散るを見てかへる心や櫻花 |
J09_0097B24: | 昔にかはるしるしなるらん |
J09_0097B25: | 後京極攝政・檀波羅蜜の心をよみ給へる歌に・ |
J09_0097B26: | 恨むなよ月と花とを詠めても |
J09_0097B27: | 惜む心は思ひすててき |
J09_0097B28: | 月にもあれ花にもあれ・六十餘回見れども未た飽か |
J09_0097B29: | ずなどどといひて貪之至死は・向阿の言の如くあ |
J09_0097B30: | まりにうたてき迷ひざま也・麤弊の色聲に耽著して・ |
J09_0097B31: | 往生の一大事を忘るべからず・ |
J09_0097B32: | 又往生に於て疑心を生ずる事勿れ・念佛往生の事は・ |
J09_0097B33: | 諸佛の證誠あり・文は彌陀經に出て・義は觀經無量 |
J09_0097B34: | 壽經に通ず・證誠ある經は・涅槃の會に釋通なし・ |