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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0096A01: を得るの方法聖道にもあり淨土門にもあり・法華玄
J09_0096A02: 義に云・經云此經是閻浮提人病之良藥・若聞是經
J09_0096A03: 不老不死者・於老死中識老死實相・云云・觀無量
J09_0096A04: 壽經あり・是も亦我金仙氏の不死の術也・此の金丹
J09_0096A05: の一鍊は・南無阿彌陀佛也・觀經云・佛告阿難・汝好
J09_0096A06: 持是語・持是語者・即是持無量壽佛名・云云・上
J09_0096A07: 人此文に依て・淨土宗を立て給ふ・散善義に云・從佛
J09_0096A08: 告阿難汝好持是語已下正明付屬彌陀名號流通
J09_0096A09: 於遐代・上來雖説定散兩門之益・望佛本願・意在
J09_0096A10: 衆生一向專稱彌陀佛名・云云・上人の曰・弘願一
J09_0096A11: 法者・既非權實漸頓之所攝云云・明遍僧都高野の
J09_0096A12: 蓮華谷に住み給ひし比・弘法大師・僧都の夢に見え
J09_0096A13: て・念佛は・顯にあらず・密にあらず・難思の法也・
J09_0096A14: と告給へり・此の旨野山蓮華三昧院の記錄に見へた
J09_0096A15: り・上人の曰・往生の道には偏に念佛勝れたる事に
J09_0096A16: て候也・然に・往生の道に疎き人の申すやうは・餘の
J09_0096A17: 眞言止觀の行に堪へざる人の安きままの勤めにてこ
J09_0096B18: そ念佛はあれと申すは・極めたる僻事にて候也・又
J09_0096B19: 云彌陀の本願に任せ・釋尊の付屬により・諸佛の證
J09_0096B20: 誠に隨ひて・愚なる私のはからひをやめて此等の
J09_0096B21: 故・強き念佛の行を勤めて・往生をねがふべしと申に
J09_0096B22: てこそ候へ・又曰・自他宗の學者・宗宗所立の義を
J09_0096B23: 各別に心得ずして・自宗の義に違するを・是は皆僻
J09_0096B24: 事也と心得たるは・いはれなき事也・宗宗所立の法
J09_0096B25: 門各別なる上は諸宗の法門一同なるべからず・皆自
J09_0096B26: 宗の義に違するは勿論也・云云・大小權實の敎・皆
J09_0096B27: 金口の説也・然に自法を愛染して・他の法を毀訾す
J09_0096B28: るは・一頭の迦樓駄一頭の優婆迦樓駄を笑ふが如し・
J09_0096B29: 大論の中に二人の弟子各師の一足を捉つて打合ひし
J09_0096B30: 喩あり見るべし・佛法甚だ遇ひがたし若し一敎を得
J09_0096B31: ば・先づそれを修すべし・人身も得がたし爪の上の
J09_0096B32: 土の喩の如し・妙樂大師の曰・一失人身・萬劫不
J09_0096B33: 復・後京極攝政・人界の心を詠み給へる歌に・
J09_0096B34: 夢の世に月日はかなく明け暮れて

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