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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0095A01: に・現在閻浮の縁盡くる時・當來受生の形相先づ現
J09_0095A02: ず・是を中有と名く・形相ありといへども・無礙なる
J09_0095A03: 事・水中の影の如し・大集經に曰・先觀中陰・於父母
J09_0095A04: 所生貪愛心・愛因縁故・四大和合・精血二滴合成一
J09_0095A05: 滴・大如豆子・名歌羅羅・云云・第八識最初の一念・
J09_0095A06: 母胎に託する・其の種子不淨也・受生の縁も淨から
J09_0095A07: ず・胎内にある時の住處食噉・悉く不淨也・初生の時
J09_0095A08: は・膿血と共に交り出つ・身に三十六物の不淨あり・
J09_0095A09: 究竟に至るまで・一として淸淨なる事なし・止觀に
J09_0095A10: 云・未見此相・愛染甚強・若見之已・欲心都息・云
J09_0095A11: 云・九想の事は・大論摩訶止觀などに具さに説給へ
J09_0095A12: り・見るべし・起信論に云・既觀皆是不淨貪愛之心
J09_0095A13: 自然不起阿含に曰・目爲眵涙窟・鼻是穢涕囊口爲
J09_0095A14: 涎唾器・腹是屎尿倉・云云・人界は身の不淨なるのみ
J09_0095A15: にあらず・八つの苦みあり・壬生忠岺・人の子の生
J09_0095A16: れたるを見て詠める・
J09_0095A17: 中なかに何生ひ出つらん筍の
J09_0095B18: うきふししげきよとはしらずや
J09_0095B19: 倩此身を觀ずれば・四大和合して假初に心の宿と成
J09_0095B20: れるもの也・其の行く末を尋ぬれば燒けは即ち北邙
J09_0095B21: の煙と登り・埋めは・亦東岱の土と成る古歌に・
J09_0095B22: 鳥部山こよひも煙立つめりと
J09_0095B23: いひてながめし人もいづらは
J09_0095B24: 伊勢が歌に
J09_0095B25: 程もなく誰も後れぬ身なれども
J09_0095B26: 留まるは行くを哀れとぞ見る
J09_0095B27: 世のはかなさは喩ふるに物なし・故に滿誓は・なに
J09_0095B28: にたとへんと詠じ・源順は・十首まで・同じやうな
J09_0095B29: る事をよんで・さまざまにたとへ見たる也・設ひ天
J09_0095B30: 上に生れて八萬劫を經とも福盡きて去らん日は呂翁
J09_0095B31: が夢に異ならじ・况や人生不滿百・常懷千歳憂・各
J09_0095B32: 強健の時に曼て・努めて善を勤修し・早く極樂に生
J09_0095B33: れて・輪廻生死の苦みを免れ・不生不滅の長生を得
J09_0095B34: べし・安養は敎主も無量壽也・眷屬も長壽也・長生

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