浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0093A01: | 台宗にては彌陀の報應と號す・密宗にては・報身報 |
J09_0093A02: | 土と名く・安養十題一也又化に即して報を見ると云は・自力 |
J09_0093A03: | 也・凡夫報土に入ると云は彌陀別願の佗力に依りて |
J09_0093A04: | 也・大乘同性經に云・西方安樂の阿彌陀佛は是れ報 |
J09_0093A05: | 佛報土なり・云云・然阿は・報化の諍論何の益かあ |
J09_0093A06: | るといへり・極樂若し化身化土也とも・不退の土にし |
J09_0093A07: | て・彼の國より業に引かれて・再び生死に沈淪せず・ |
J09_0093A08: | 直に成佛すとならば・不足はなき事也・又上上根智 |
J09_0093A09: | の人は・自力にてすら即身に成佛す・况や佛力の不 |
J09_0093A10: | 思議・瓧礫を變じて金と成し・凡夫を報土に入れし |
J09_0093A11: | むるに・何のかたき事かあらん・八地の菩薩能く本 |
J09_0093A12: | 質を轉ず・佛法の妙・凡智を以て測るべからず・ |
J09_0093A13: | 又往生に・見生無生の往生・無生而生の往生と云事 |
J09_0093A14: | あり・見生無生の往生と云は・凡愚妄情を改めず・ |
J09_0093A15: | 生得のままにて佛願を賴み・往生を遂ぐるをいふ・無 |
J09_0093A16: | 官無位の者をも別勅にて召せば・大内の殿に上るを・ |
J09_0093A17: | 上人・凡夫報土に入るの喩とし給ふ・無生而生の往 |
J09_0093B18: | 生といふは・此の土にて無生の理に契ひて後極樂に |
J09_0093B19: | 生するをいふ・天子の御前に・常に祗候する人に・ |
J09_0093B20: | 殊更に昇殿を聽りたる時初て參内し給ふには無名門 |
J09_0093B21: | より入り淸凉殿の階の前にて舞踏し・即ち殿に上り・ |
J09_0093B22: | 臺盤所に著給ふを此事近代無之無生而生の喩とすべきか |
J09_0093B23: | 念佛の行者臨終の夕瑞相を感じ・或は佛の告を蒙り・ |
J09_0093B24: | 或は死期を知りて往生を遂げたる者・貞享の比より |
J09_0093B25: | 元祿の初までに・畿内江州六國の間に於て・我か聞く |
J09_0093B26: | 所も二十人に埀とす・遠國にも定んてあるべし・此の |
J09_0093B27: | 往生を遂げたる人の事を語るを聞くに多くは愚にし |
J09_0093B28: | て信深き人也・頑愚なる者は本願を賴む心強し・極樂 |
J09_0093B29: | へ生ずるを・四國九州などへ下るやうに思ふ故に・信 |
J09_0093B30: | 心堅固也・之に依りて本願に能く乘ずると見えたり・ |
J09_0093B31: | 少智ある人は諸法は唯心の所造也と聞いて・安養を |
J09_0093B32: | 慥に西にありと思はず・是は郤りて唯識の道理に闇 |
J09_0093B33: | きに依りて也・若唯心の沙汰をいはば淨土のみなら |
J09_0093B34: | ず・十界皆唯識の所變也・然に淨土は現に見ざる故に |