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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0089A01: し・云云・聖德太子の御歌に・
J09_0089A02: 急げ人彌陀の御舟の通ふ世に
J09_0089A03: 乘り後れなばいつか渡らん
J09_0089A04: 此歌は風雅集に見えたり
J09_0089A05: 當時顯密の行者多くは安養を期す・殊更天台宗には・
J09_0089A06: 智者・章安・法智・法寳等の大師・慈覺・智証・慈
J09_0089A07: 惠・惠心等の師・極樂に生し給ふ故に・宗風として
J09_0089A08: 西方を求む・然るに其行は不同・法身は無相なる故
J09_0089A09: に・相として法身ならずと云事なし・相好莊嚴即法
J09_0089A10: 身也と知り色を離れて空を求めず・生即無生・無生
J09_0089A11: 即生也・四土本より不二也・安養も本邦也・極樂即寂
J09_0089A12: 光也と知りて・往生を期する人あり・圓人は初心より
J09_0089A13: 佛心を知る・信解圓宗の大心の人は頓に諸聖に同し
J09_0089A14: といへども・力用未充如來出現して普く衆生を利す
J09_0089A15: るに及ばず・生佛不二也といへども・未成の佛已成
J09_0089A16: の佛分滿究竟滿の異ありと知る故に・圓人といへど
J09_0089A17: も・多くは極樂往生を求む・大品無佛の文を智論に
J09_0089B18: 無佛と云ふ者佛に著する思を破す・佛無しと云には
J09_0089B19: 非すと釋し給ふ・無佛の言に迷ふて・修証を忘るる事
J09_0089B20: 勿れ・又心性を粗見たる人といふとも・初心の行者・
J09_0089B21: 若し西方を以て所期とせずば・術通なき人虚空に舍
J09_0089B22: を立てんとする如くならん・大經云・通達諸法性
J09_0089B23: 一切空無我・專求淨佛土・必成如是刹淨名經云・
J09_0089B24: 雖知諸佛國及與衆生空・而常修淨土・敎化諸羣
J09_0089B25: 生・揚提刑曰・普賢願見彌陀・維摩常修淨土・又曰・
J09_0089B26: 將錯就錯・西方極樂・古歌に・
J09_0089B27: 西を思ふ心も同じ夢なれど
J09_0089B28: 長き眠は覺めぬべきかな
J09_0089B29: 又山門の僧の中に・止觀立遮那立の二人あり・遮那
J09_0089B30: 立の人は・眞言の事相敎相を共に習傳ふ・其中に志
J09_0089B31: 深き人は・二時三時に供養法を修し歷縁對境の時も・
J09_0089B32: 阿字の廣觀息念誦などに心を措く此の如きの人も多
J09_0089B33: 分は中品の悉地を期す・中品悉地者往生淨土也、極樂在其中又法華經に・
J09_0089B34: 若有女人・聞是經典・如説修行・於此命終即往

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