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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0088A01: いへども頓機ならずしては契ひかたし・世に頓機の
J09_0088A02: 人は希也・頓機と云者・解行倶時なり・解の外に行
J09_0088A03: 無く行の外に解無し頓悟頓修の人を糸を染むるに喩
J09_0088A04: ふ・今末の世なれば・此の如きの人何曾見一人宇
J09_0088A05: 宙廣ければ若し希に有りとも少有は無に屬すべし・
J09_0088A06: 解頓行漸を・猶漸人と名く・是は的を見付て後・射
J09_0088A07: を習ふ類の人也・若大木を截り階に登る如きの・漸
J09_0088A08: 機の病人ならば・鉢裏飯を食し桶裏水を飮まんより
J09_0088A09: は・念佛の漉湯を用ゐんにはしかじ・近ふして見がた
J09_0088A10: きは心也・悟らんと思ふは迷の始也といへり・禪錄に
J09_0088A11: 云・求心歇處即無事・云云・悟の道は外に求めぬ事
J09_0088A12: なれども・淸少納言が近くて遠きものははらからの
J09_0088A13: 子ども・鞍馬のつづらをりといへるが如し・又遠く
J09_0088A14: て近きもの帆掛舟・極樂の道といへり・般舟讃に云・
J09_0088A15: 道里雖遙足不到・彈指間入寳池・云云・
J09_0088A16: 聖道の法門は・葉山重山繁くして・入れは入る程迷ひ
J09_0088A17: ぬべし・大方一期は・不審訣にて日の暮るる也・理深
J09_0088B18: き故に・解淺うしては通じがたし・和し解ある人も習
J09_0088B19: 重ければ行門立ちがたし・淨心誡觀に・引盲龍經
J09_0088B20: 云解義不救業苦・宗鏡錄曰・若但取一期知解・不
J09_0088B21: 纂進修・欲得究竟菩提・無有是處摩訶止觀曰・
J09_0088B22: 欲登玅位・不行不諧云云・方便を籍らざれば・不
J09_0088B23: 思議自然の用を顯しがたし・岩に臥して雲を見る人
J09_0088B24: 爭か直に舊里にかへらん・柳子厚が東海若若ト者水神之名
J09_0088B25: 書ける如く・抉石破瓠・水可復於海・然るに成佛
J09_0088B26: はかたく往生は易し・又往生は易く得忍はかたし・
J09_0088B27: 又此土にて忍を得る事はかたく・極樂にて忍を得る
J09_0088B28: 事は易し・安養に九品の別ある故に・得忍に且く遲
J09_0088B29: 速はあれども遂には究竟摩尼輪の位に登る・我等愚
J09_0088B30: 輩久しく生死に沈淪せし身の・今不思議の本願に逢
J09_0088B31: へり・極樂に生じて・佛果を得利生心に任せん事・
J09_0088B32: 時既に至れり永觀律師の曰・人値急難・得一方便・
J09_0088B33: 早速可離・何暇論談・云云・敬佛房の云・渡に行き
J09_0088B34: 合ひたる舟には・先づ攫付て乘るより外に・別の手な

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