浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0088A01: | いへども頓機ならずしては契ひかたし・世に頓機の |
J09_0088A02: | 人は希也・頓機と云者・解行倶時なり・解の外に行 |
J09_0088A03: | 無く行の外に解無し頓悟頓修の人を糸を染むるに喩 |
J09_0088A04: | ふ・今末の世なれば・此の如きの人何曾見一人宇 |
J09_0088A05: | 宙廣ければ若し希に有りとも少有は無に屬すべし・ |
J09_0088A06: | 解頓行漸を・猶漸人と名く・是は的を見付て後・射 |
J09_0088A07: | を習ふ類の人也・若大木を截り階に登る如きの・漸 |
J09_0088A08: | 機の病人ならば・鉢裏飯を食し桶裏水を飮まんより |
J09_0088A09: | は・念佛の漉湯を用ゐんにはしかじ・近ふして見がた |
J09_0088A10: | きは心也・悟らんと思ふは迷の始也といへり・禪錄に |
J09_0088A11: | 云・求心歇處即無事・云云・悟の道は外に求めぬ事 |
J09_0088A12: | なれども・淸少納言が近くて遠きものははらからの |
J09_0088A13: | 子ども・鞍馬のつづらをりといへるが如し・又遠く |
J09_0088A14: | て近きもの帆掛舟・極樂の道といへり・般舟讃に云・ |
J09_0088A15: | 道里雖遙足不到・彈指間入寳池・云云・ |
J09_0088A16: | 聖道の法門は・葉山重山繁くして・入れは入る程迷ひ |
J09_0088A17: | ぬべし・大方一期は・不審訣にて日の暮るる也・理深 |
J09_0088B18: | き故に・解淺うしては通じがたし・和し解ある人も習 |
J09_0088B19: | 重ければ行門立ちがたし・淨心誡觀に・引盲龍經 |
J09_0088B20: | 云解義不救業苦・宗鏡錄曰・若但取一期知解・不 |
J09_0088B21: | 纂進修・欲得究竟菩提・無有是處摩訶止觀曰・ |
J09_0088B22: | 欲登玅位・不行不諧云云・方便を籍らざれば・不 |
J09_0088B23: | 思議自然の用を顯しがたし・岩に臥して雲を見る人 |
J09_0088B24: | 爭か直に舊里にかへらん・柳子厚が東海若若ト者水神之名に |
J09_0088B25: | 書ける如く・抉石破瓠・水可復於海・然るに成佛 |
J09_0088B26: | はかたく往生は易し・又往生は易く得忍はかたし・ |
J09_0088B27: | 又此土にて忍を得る事はかたく・極樂にて忍を得る |
J09_0088B28: | 事は易し・安養に九品の別ある故に・得忍に且く遲 |
J09_0088B29: | 速はあれども遂には究竟摩尼輪の位に登る・我等愚 |
J09_0088B30: | 輩久しく生死に沈淪せし身の・今不思議の本願に逢 |
J09_0088B31: | へり・極樂に生じて・佛果を得利生心に任せん事・ |
J09_0088B32: | 時既に至れり永觀律師の曰・人値急難・得一方便・ |
J09_0088B33: | 早速可離・何暇論談・云云・敬佛房の云・渡に行き |
J09_0088B34: | 合ひたる舟には・先づ攫付て乘るより外に・別の手な |