浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0087A01: | らん人は・求めざるに自ら佛の御心に叶ふべし・儒に |
J09_0087A02: | 云・天與善人法華玄義引大經曰・我觀衆生老少 |
J09_0087A03: | 中年貧富貴賤・有善心者即便慈念此大經者、涅槃經也台宗涅槃經號大經 |
J09_0087A04: | 諸の善心の中に於て・慈悲心には佛殊に與し給ふべ |
J09_0087A05: | し・法を傳へて衆生を利するを佛恩を報ずるの第一 |
J09_0087A06: | とす・利生の爲に・上品往生を求めんは・是れ亦佛 |
J09_0087A07: | 恩報謝の最上なるべし・故に善導大師誓到彌陀安養 |
J09_0087A08: | 界還來穢國度人天・願我慈悲無際限・長時長劫 |
J09_0087A09: | 報慈恩・と釋し給ふ・智悲の二は・衆生の本具なれ |
J09_0087A10: | ども・是れを顯す事かたし・殊更代りて苦を受くる |
J09_0087A11: | の志などは發りがたき心品也・然るに當時君父の命 |
J09_0087A12: | に替はる義士孝子あるを見れば・一切衆生は皆是れ |
J09_0087A13: | 我か父母也・生生世世互に恩有りと云ふことを心に |
J09_0087A14: | 决定し侍らは・衆生の苦に代らんと思ふ心も・發き |
J09_0087A15: | つべきもの也・行基菩薩の御歌に・ |
J09_0087A16: | ほろほろと鳴く山鳥の聲聞けば |
J09_0087A17: | 父かとぞ思ふ母かとぞ思ふ |
J09_0087B18: | 一切の含識流來生死日久し・唯假初に迷ひ出てて幾 |
J09_0087B19: | 夜旅寢の草の枕に・多くの夢を見る也本覺流轉の心 |
J09_0087B20: | を法印實澄・ |
J09_0087B21: | 住み馴し宿をば花にうかれ來て |
J09_0087B22: | かへるさしらぬ春の旅人 |
J09_0087B23: | 還歸本理一念三千の心を・法印澄俊・ |
J09_0087B24: | 故郷にかへるは易き理を |
J09_0087B25: | しらでや世世に迷ひきぬらん |
J09_0087B26: | 今本覺の古里にかへらんとするに・其道甚た多しと |
J09_0087B27: | いへども・法相の勝義唯識・三論の八不中道は・理 |
J09_0087B28: | 深ければ解し難し・華嚴の一心法界は・行高ければ |
J09_0087B29: | 修し難し・五種大乘の中法相、三論、律、華嚴、天台台敎は今此國に |
J09_0087B30: | 熾也といへども・實相は無相なり・無相も亦無なり・ |
J09_0087B31: | 現前の一念即佛心也と知りて觀心を修する人・在家 |
J09_0087B32: | などには希なること也・平繁茂平ノ維茂ノ男の類の人は・今 |
J09_0087B33: | は僧の中にも少し・又向上の一著は學解を藉らすと |