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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0087A01: らん人は・求めざるに自ら佛の御心に叶ふべし・儒に
J09_0087A02: 云・天與善人法華玄義引大經曰・我觀衆生老少
J09_0087A03: 中年貧富貴賤・有善心者即便慈念此大經者、涅槃經也台宗涅槃經號大經
J09_0087A04: 諸の善心の中に於て・慈悲心には佛殊に與し給ふべ
J09_0087A05: し・法を傳へて衆生を利するを佛恩を報ずるの第一
J09_0087A06: とす・利生の爲に・上品往生を求めんは・是れ亦佛
J09_0087A07: 恩報謝の最上なるべし・故に善導大師誓到彌陀安養
J09_0087A08: 界還來穢國度人天・願我慈悲無際限・長時長劫
J09_0087A09: 報慈恩・と釋し給ふ・智悲の二は・衆生の本具なれ
J09_0087A10: ども・是れを顯す事かたし・殊更代りて苦を受くる
J09_0087A11: の志などは發りがたき心品也・然るに當時君父の命
J09_0087A12: に替はる義士孝子あるを見れば・一切衆生は皆是れ
J09_0087A13: 我か父母也・生生世世互に恩有りと云ふことを心に
J09_0087A14: 决定し侍らは・衆生の苦に代らんと思ふ心も・發き
J09_0087A15: つべきもの也・行基菩薩の御歌に・
J09_0087A16: ほろほろと鳴く山鳥の聲聞けば
J09_0087A17: 父かとぞ思ふ母かとぞ思ふ
J09_0087B18: 一切の含識流來生死日久し・唯假初に迷ひ出てて幾
J09_0087B19: 夜旅寢の草の枕に・多くの夢を見る也本覺流轉の心
J09_0087B20: を法印實澄・
J09_0087B21: 住み馴し宿をば花にうかれ來て
J09_0087B22: かへるさしらぬ春の旅人
J09_0087B23: 還歸本理一念三千の心を・法印澄俊・
J09_0087B24: 故郷にかへるは易き理を
J09_0087B25: しらでや世世に迷ひきぬらん
J09_0087B26: 今本覺の古里にかへらんとするに・其道甚た多しと
J09_0087B27: いへども・法相の勝義唯識・三論の八不中道は・理
J09_0087B28: 深ければ解し難し・華嚴の一心法界は・行高ければ
J09_0087B29: 修し難し・五種大乘の中法相、三論、律、華嚴、天台台敎は今此國に
J09_0087B30: 熾也といへども・實相は無相なり・無相も亦無なり・
J09_0087B31: 現前の一念即佛心也と知りて觀心を修する人・在家
J09_0087B32: などには希なること也・平繁茂平ノ維茂ノ男の類の人は・今
J09_0087B33: は僧の中にも少し・又向上の一著は學解を藉らすと

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