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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0084A01: りといへる心を・
J09_0084A02: 西へ行道より外は今の世に
J09_0084A03: うき世を出つる門やなからん
J09_0084A04: 今穢質を此の界に捨て安養に往くは弊衣を錦繡に脱
J09_0084A05: ぎ易ふるが如し・般舟讃に曰・六天相勝億萬倍・不
J09_0084A06: 及西方人一相・又曰・新往化生紫金色・與諸大衆無
J09_0084A07: 殊異・極樂の人天四八の相を具足し無極之體虚無之
J09_0084A08: 身となる事・實に是れ彌陀願力の恩なり・釋大衍論に
J09_0084A09: 云・心海澄淨身體明白・依玅正淸故・云云・身
J09_0084A10: 體明白と云は・潔白の義也・極樂の人天白色也と・
J09_0084A11: 云にはあらす・彼國に生ずれば微塵の故業・智に隨ひ
J09_0084A12: て滅す・自利利他具足せずと云事なし・目連尊者初て
J09_0084A13: 六通を得・母の鬼趣にあるを見て悲み給ひし如く・安
J09_0084A14: 養に生れ得通自在の身と成りて後恩愛の者の惡趣に
J09_0084A15: 墮して・苦みを受るを親り見侍らば・誰か淨士の快
J09_0084A16: 樂に心を留め彼國を出でずしてあるべき・四十八願
J09_0084A17: の中・第十五眷屬長壽の願の文に・國中人天壽命無
J09_0084B18: 能限量除其本願衆生願也脩短自在と説給へは・早く穢
J09_0084B19: 土に來ることも亦自在也
J09_0084B20: 唐に法敬と云ひし僧あり・童子寺に在りし時彼寺の
J09_0084B21: 釋迦の靈像に對して感降を祈請す・三年を經て夢を
J09_0084B22: 感ず・像玅身を出だして曰く・汝西方の阿彌陀佛を
J09_0084B23: 念じ淨土の中に生じ・不退の功德を成就し・此土の
J09_0084B24: 衆生を利益すべし・寤めて後淨土寺に移り・艸を結
J09_0084B25: ひて菴とし・蔬食念佛す・ある曉空中の聲を聞く・
J09_0084B26: 善哉大沙門・所願今満足・得生淨土已・還來利
J09_0084B27: 衆生と敬命盡くるを知りて・寺の維那に語りて曰く
J09_0084B28: 我れ淨土に生じ・無生忍を得ば來て汝に告けん・言訖
J09_0084B29: りて合掌し西に向ひて去る・逝卒十三年に來りて維
J09_0084B30: 那に告く・夢に敬が身を見るに・光明を帶び相好を具
J09_0084B31: 足す・敬が曰・我いまだ無生忍の位を得ずといへど
J09_0084B32: も・本約を念ふに依つて佛の威力を承け暫く來れり・
J09_0084B33: 忍已後は自在に生を受け弘く衆生を利せん・汝懺悔
J09_0084B34: 念佛せば業障便ち轉じ・七日に至りて淨土の邊地に

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