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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0080A01: りにも・方便と云ふ事ありて・さとりなきものは・こ
J09_0080A02: こかしこたがふうたがひを置きつべくなん・方等經
J09_0080A03: の中に多かれどいひもてゆけば・菩提と煩惱とのへ
J09_0080A04: だたりなんと書けり・煩惱を斷じて・菩提を得と談ず
J09_0080A05: る人あり・迷へば煩惱・悟れば菩提と説く人あり・本
J09_0080A06: 無煩惱唯是菩提と示す人あり・皆是縁理斷九也・龍
J09_0080A07: 樹尊者云・三毒即ち道云云・いづくよりか吹來りけ
J09_0080A08: ん・無明の風忽に起り・依身の船生死海に漂ふ・煩惱
J09_0080A09: 隨煩惱の浪高ふして・既に舟を覆さんとす・一心の
J09_0080A10: 舟筏士櫓橈を取るに便なし・艫へ行き舳へ行き・立つ
J09_0080A11: て見居て見・見れども心の安ずる時なし・暫く安養
J09_0080A12: の湊に寄るべし・此の湊より本覺の古郷へ歸るには・
J09_0080A13: 曾て勞する事なし・吳克己曰・不生安養・則無
J09_0080A14: 以證我心本具妙法・云云・彼國に生ずれは・思量一
J09_0080A15: 念の功を不藉して悟を開き・不覺轉入眞如門・土
J09_0080A16: 地に得失ある事を知べし・花寄五淨風日不萎・
J09_0080A17: 橘柚徙陽自然爲枳と云ふか如し・西方要決に曰・
J09_0080B18: 口誦無生・作者非一據其證者百無一人・欲得
J09_0080B19: 無生・要由勝境・云云
J09_0080B20: 十方に佛土ありといへども・其中に於て・都率安養
J09_0080B21: の二淨土は・此の娑婆世界に有縁也・此二の中に於
J09_0080B22: て・極樂には十勝十易あり・往生禮讃曰・欲選當
J09_0080B23: 生處・西方最可歸・云云・極樂は・彌陀如來別願所
J09_0080B24: 成の土なる故に・莊嚴快樂餘の佛土に超えたり・又諸
J09_0080B25: 佛の功德は等しといへども・因位の悲願は彌陀猶勝
J09_0080B26: れ給へり・極樂は無漏無生の寳國なる故に・薄地底下
J09_0080B27: の凡夫・自の力にては・生れがたしといへども・佛
J09_0080B28: 願に依が故に・易く生ずる事を得・慈恩大師の云・
J09_0080B29: 彼方精微・欲往實難・佛力加持・去此甚易云云・
J09_0080B30: 他力を水路の乘船に喩ふ・蝱鸞の尾に附・一翥に萬
J09_0080B31: 里するも翅の巧なるにあらず・牆頭の草・角裏の聲・
J09_0080B32: 皆能高遠を致すも・托する處の勝るれば也・四要義
J09_0080B33: に云譬は轉輪王は・十善の果報曹き故に・行幸なる時
J09_0080B34: は・賤き匹夫までをも・皆空を飛ばせて・召具せらる

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