浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0080A01: | りにも・方便と云ふ事ありて・さとりなきものは・こ |
J09_0080A02: | こかしこたがふうたがひを置きつべくなん・方等經 |
J09_0080A03: | の中に多かれどいひもてゆけば・菩提と煩惱とのへ |
J09_0080A04: | だたりなんと書けり・煩惱を斷じて・菩提を得と談ず |
J09_0080A05: | る人あり・迷へば煩惱・悟れば菩提と説く人あり・本 |
J09_0080A06: | 無煩惱唯是菩提と示す人あり・皆是縁理斷九也・龍 |
J09_0080A07: | 樹尊者云・三毒即ち道云云・いづくよりか吹來りけ |
J09_0080A08: | ん・無明の風忽に起り・依身の船生死海に漂ふ・煩惱 |
J09_0080A09: | 隨煩惱の浪高ふして・既に舟を覆さんとす・一心の |
J09_0080A10: | 舟筏士櫓橈を取るに便なし・艫へ行き舳へ行き・立つ |
J09_0080A11: | て見居て見・見れども心の安ずる時なし・暫く安養 |
J09_0080A12: | の湊に寄るべし・此の湊より本覺の古郷へ歸るには・ |
J09_0080A13: | 曾て勞する事なし・吳克己曰・不生安養・則無 |
J09_0080A14: | 以證我心本具妙法・云云・彼國に生ずれは・思量一 |
J09_0080A15: | 念の功を不藉して悟を開き・不覺轉入眞如門・土 |
J09_0080A16: | 地に得失ある事を知べし・花寄五淨風日不萎・ |
J09_0080A17: | 橘柚徙陽自然爲枳と云ふか如し・西方要決に曰・ |
J09_0080B18: | 口誦無生・作者非一據其證者百無一人・欲得 |
J09_0080B19: | 無生・要由勝境・云云 |
J09_0080B20: | 十方に佛土ありといへども・其中に於て・都率安養 |
J09_0080B21: | の二淨土は・此の娑婆世界に有縁也・此二の中に於 |
J09_0080B22: | て・極樂には十勝十易あり・往生禮讃曰・欲選當 |
J09_0080B23: | 生處・西方最可歸・云云・極樂は・彌陀如來別願所 |
J09_0080B24: | 成の土なる故に・莊嚴快樂餘の佛土に超えたり・又諸 |
J09_0080B25: | 佛の功德は等しといへども・因位の悲願は彌陀猶勝 |
J09_0080B26: | れ給へり・極樂は無漏無生の寳國なる故に・薄地底下 |
J09_0080B27: | の凡夫・自の力にては・生れがたしといへども・佛 |
J09_0080B28: | 願に依が故に・易く生ずる事を得・慈恩大師の云・ |
J09_0080B29: | 彼方精微・欲往實難・佛力加持・去此甚易云云・ |
J09_0080B30: | 他力を水路の乘船に喩ふ・蝱鸞の尾に附・一翥に萬 |
J09_0080B31: | 里するも翅の巧なるにあらず・牆頭の草・角裏の聲・ |
J09_0080B32: | 皆能高遠を致すも・托する處の勝るれば也・四要義 |
J09_0080B33: | に云譬は轉輪王は・十善の果報曹き故に・行幸なる時 |
J09_0080B34: | は・賤き匹夫までをも・皆空を飛ばせて・召具せらる |