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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0081A01: る也・是れ唯匹夫の・己が果報は賤けれども・輪王の
J09_0081A02: 果報にかかる者までをも・空に飛ばする力を得給へ
J09_0081A03: る故也・他力に乘ずるいはれ・この喩にてしれぬべ
J09_0081A04: し・されば彼劣夫の・輪王の果報力に引れて空を飛
J09_0081A05: ふが如く・我等も亦阿彌陀佛の御果報に引れ奉りて・
J09_0081A06: 輙く往生せん事何の滯ふる所かあらん・云云・念佛
J09_0081A07: の一門は通途の敎相を以て判すべからず・佛の本願
J09_0081A08: 力佛の大威德定力は・非唯識所判故に阿彌陀經に・
J09_0081A09: 難信之法と説給ふ・懷感禪師の曰・久學讀已解此
J09_0081A10: 願言・初學乍披・多迷斯旨・乃爲異釋・莫會
J09_0081A11: 宗途云云・此の感師は・義不入神・未以爲得
J09_0081A12: と・宋の高僧傳に見えたり・此の師念佛少時にして・
J09_0081A13: 逕に安養に生ずる事を信せす・疑冰未た解けざりし
J09_0081A14: に・遂に善導に謁して猶豫を决すと同じ傳に書けり・
J09_0081A15: 津守國冬が歌に
J09_0081A16: 朝夕に見ればこそあれ住吉の
J09_0081A17: 浦より遠の淡路島山・
J09_0081B18: 國冬は住吉の神主にて・常に彼島を詠せしにより・
J09_0081B19: 時時に易れる雨奇晴好の美景を見侍りし也・假初に
J09_0081B20: 詠める人は此面白き景をば知るべからずとよめる歌
J09_0081B21: 也といへり・佛經を見るも亦・此の如くなるべし・靜
J09_0081B22: 遍僧都選擇集を破すべしと思ひ・料紙までを調へ選
J09_0081B23: 擇集を披き見給ふ・日比の所案大に相違し・末代惡
J09_0081B24: 世の凡夫の・出離生死の道は偏に稱名の一行にあり
J09_0081B25: と見定め・郤りて此書を賞翫し・剩續選擇集を述し
J09_0081B26: 上人の義道を助成せり・張亟相破法論を造らんとて・
J09_0081B27: 維摩經を見て護法論を造りしが如し・明禪法印も・
J09_0081B28: 上人の所立を猜み給ひしが・上人の滅後に・選擇集
J09_0081B29: を度度見給ひ・終に信を生じ給へり・上人慶雅法橋
J09_0081B30: を歎じて曰・能き學生は歸すべき事には歸する也云
J09_0081B31: 云・嘉祥大師は章安大師に謁し・圓敎の旨を聞いて
J09_0081B32: 後自述せる法華疏を燒郤し・門弟九十餘人を章安大
J09_0081B33: 師に附し給ふ
J09_0081B34: 機に利鈍ある故に・敎に淺深あり・之に依て入門に

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