浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0081A01: | る也・是れ唯匹夫の・己が果報は賤けれども・輪王の |
J09_0081A02: | 果報にかかる者までをも・空に飛ばする力を得給へ |
J09_0081A03: | る故也・他力に乘ずるいはれ・この喩にてしれぬべ |
J09_0081A04: | し・されば彼劣夫の・輪王の果報力に引れて空を飛 |
J09_0081A05: | ふが如く・我等も亦阿彌陀佛の御果報に引れ奉りて・ |
J09_0081A06: | 輙く往生せん事何の滯ふる所かあらん・云云・念佛 |
J09_0081A07: | の一門は通途の敎相を以て判すべからず・佛の本願 |
J09_0081A08: | 力佛の大威德定力は・非唯識所判故に阿彌陀經に・ |
J09_0081A09: | 難信之法と説給ふ・懷感禪師の曰・久學讀已解此 |
J09_0081A10: | 願言・初學乍披・多迷斯旨・乃爲異釋・莫會 |
J09_0081A11: | 宗途云云・此の感師は・義不入神・未以爲得 |
J09_0081A12: | と・宋の高僧傳に見えたり・此の師念佛少時にして・ |
J09_0081A13: | 逕に安養に生ずる事を信せす・疑冰未た解けざりし |
J09_0081A14: | に・遂に善導に謁して猶豫を决すと同じ傳に書けり・ |
J09_0081A15: | 津守國冬が歌に |
J09_0081A16: | 朝夕に見ればこそあれ住吉の |
J09_0081A17: | 浦より遠の淡路島山・ |
J09_0081B18: | 國冬は住吉の神主にて・常に彼島を詠せしにより・ |
J09_0081B19: | 時時に易れる雨奇晴好の美景を見侍りし也・假初に |
J09_0081B20: | 詠める人は此面白き景をば知るべからずとよめる歌 |
J09_0081B21: | 也といへり・佛經を見るも亦・此の如くなるべし・靜 |
J09_0081B22: | 遍僧都選擇集を破すべしと思ひ・料紙までを調へ選 |
J09_0081B23: | 擇集を披き見給ふ・日比の所案大に相違し・末代惡 |
J09_0081B24: | 世の凡夫の・出離生死の道は偏に稱名の一行にあり |
J09_0081B25: | と見定め・郤りて此書を賞翫し・剩續選擇集を述し |
J09_0081B26: | 上人の義道を助成せり・張亟相破法論を造らんとて・ |
J09_0081B27: | 維摩經を見て護法論を造りしが如し・明禪法印も・ |
J09_0081B28: | 上人の所立を猜み給ひしが・上人の滅後に・選擇集 |
J09_0081B29: | を度度見給ひ・終に信を生じ給へり・上人慶雅法橋 |
J09_0081B30: | を歎じて曰・能き學生は歸すべき事には歸する也云 |
J09_0081B31: | 云・嘉祥大師は章安大師に謁し・圓敎の旨を聞いて |
J09_0081B32: | 後自述せる法華疏を燒郤し・門弟九十餘人を章安大 |
J09_0081B33: | 師に附し給ふ |
J09_0081B34: | 機に利鈍ある故に・敎に淺深あり・之に依て入門に |