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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0075A01: と心を得て・今の念佛を・繰返し必す迎へ給へと・
J09_0075A02: 佛に聞こへ置給へ・又曰・佛願誤なからんには・なじ
J09_0075A03: か終りをあやぶまん・云云・上人の曰・佛の來迎一
J09_0075A04: 定ならば・臨終正念も一定とこそ思ふべけれ・又曰・
J09_0075A05: 念佛だにも申せば・佛の來迎は・法爾の道理にて疑
J09_0075A06: なし・永觀律師の歌に・
J09_0075A07: 世を捨てて阿彌陀佛を賴む身は
J09_0075A08: 終り思ふぞうれしかりける
J09_0075A09: 上人の曰・念佛を申しながら・後世を嘆く程の人は・
J09_0075A10: 三心不具の人也・禮阿の曰唯佛力を賴むとばかりい
J09_0075A11: ひて・習祈らざるは・志のなきが甚しき也・又我力
J09_0075A12: にて正念に住せんと思ひ居たるは・其あてがひ大に
J09_0075A13: あぶなし・されば習祈ると云とも・正首に正念を得
J09_0075A14: る事は佛の御力なるべし云云・
J09_0075A15: 此度速に生死を離れんと思はん人は・難行易行・自力
J09_0075A16: 他力の異を・委しく聞いて機法相應の行を修すべし・
J09_0075A17: 向阿の曰・されば無始より來・さすが佛敎にもこ
J09_0075B18: そ逢ひつらめども今まで猶流轉の凡夫たる事は・機
J09_0075B19: 根は拙うして・心行の及難きによる也・云云・設深法
J09_0075B20: を聞くと云とも・下機の人爭でか輙く其理を解すべ
J09_0075B21: き・機敎相應せざれれば・結縁となる許也・又佛道
J09_0075B22: 修行の人は・階級を知るべし・大論に云・若實相判
J09_0075B23: 位如入海淺深・天台曰・今實相平等雖無位次・
J09_0075B24: 見實相者判位次何咎・云云・台宗には六即を創・
J09_0075B25: 高麗の觀師の曰・深識六字不生上慢・委明即字
J09_0075B26: 不生自屈・密宗には・三種の成佛理具・加持・顯得を説き・
J09_0075B27: 三品の 悉地を談ず・上品ハ密嚴國土・中品ハ十方淨土・下品ハ諸天修羅宮等ナリ敎の中
J09_0075B28: に菩薩深固の菩提心を發してより・成佛に至るまで
J09_0075B29: に・三無數劫を經とも説き刹那に滅郤す三祇劫とも
J09_0075B30: 談ず・長あり短ありといへども・實敎の中には・定ん
J09_0075B31: て短を正とす・菩薩の位次は・尾上に近き入相の鐘に
J09_0075B32: 泊烏の打連れて行くに似たり・其次位爲有爲無玄
J09_0075B33: 忠大師の曰・十地階次者・釋迦如來・於閻浮提・
J09_0075B34: 一應化道耳・云云・何れの敎に依りて修する人にも

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