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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0074A01: れば・浴室東司などにて・不慮に命終る事ありて用意
J09_0074A02: 空しく成る事も有るべしといへども・之を持つ事武
J09_0074A03: 士の甲胃を所持する如くなるべし・法圓上人の歌に
J09_0074A04: なも阿彌陀佛のみてにかくる絲の
J09_0074A05: 終り亂れぬ心ともがな
J09_0074A06: 宗鏡錄云・現今對境・尚不圓明・臨終遇縁・焉能
J09_0074A07: 甄別・云云・臨終には・三種の愛心起り・四魔競ひ
J09_0074A08: 來る・又斷末摩の苦みあり・末摩は・梵語也・華に
J09_0074A09: は支節と翻ず・具には倶舍論に出でたり・此苦みを
J09_0074A10: 受くる事は人の心を痛ましめし報也と・顯宗論に見
J09_0074A11: えたり・念佛の行者は・命の終らんとする位に佛の
J09_0074A12: 來迎を見・正く命終る時に・正念を得て往生を遂く
J09_0074A13: 念佛の人の往生の疾き事を・經に譬如壯士屈伸臂
J09_0074A14: 頃とも説き如一念頃即得往生とも説き給ふ・
J09_0074A15: 般舟讃曰・低頭禮佛在此國・擧頭已入彌陀
J09_0074A16: 界・往生要集に曰・當知艸庵暝目之間・蓮臺結
J09_0074A17: 跏之程・聖衆來迎の心を・藤原資隆朝臣の歌に
J09_0074B18: 艸の庵に露消えぬとや人は見る
J09_0074B19: 蓮の花に宿りぬる身を
J09_0074B20: 臨終廻心の人は・正念に依て來迎を見る・平生廻心
J09_0074B21: の人は・臨終無記なれども・迎接を蒙る・無記の往生
J09_0074B22: の事は・羣疑論に具に述せり・十勝論云・黑谷上人・
J09_0074B23: 書與空阿大德法語に曰・正念之時稱名積功設臨
J09_0074B24: 終雖不稱名念佛・决定往生之由見羣疑論・云
J09_0074B25: 云・彌陀六八の願の中に・第十九は來迎引接の願な
J09_0074B26: り・此願ある故に名號を唱ふる人は・臨終の無朧事
J09_0074B27: なし・向阿云・末代の衆生の往生を遂げん事は・來
J09_0074B28: 迎の願の力らなるべし・云云・阿彌陀經には・與諸
J09_0074B29: 聖衆現在其前・是人終時心不顚倒・即得往生
J09_0074B30: と説き・稱讃淨土經には・慈悲加祐令心不
J09_0074B31: 亂と説き・悲華經には・以見我故離諸障碍と説
J09_0074B32: き給ふ・此れ等の文・皆來迎に依りて正念を得るの義
J09_0074B33: 也・西要抄に云・臨終正念は・偏に聖衆の來迎の力に
J09_0074B34: 依り・聖衆の來迎は・復平生念佛の功にあらんずる事

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