浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0074A01: | れば・浴室東司などにて・不慮に命終る事ありて用意 |
J09_0074A02: | 空しく成る事も有るべしといへども・之を持つ事武 |
J09_0074A03: | 士の甲胃を所持する如くなるべし・法圓上人の歌に |
J09_0074A04: | なも阿彌陀佛のみてにかくる絲の |
J09_0074A05: | 終り亂れぬ心ともがな |
J09_0074A06: | 宗鏡錄云・現今對境・尚不圓明・臨終遇縁・焉能 |
J09_0074A07: | 甄別・云云・臨終には・三種の愛心起り・四魔競ひ |
J09_0074A08: | 來る・又斷末摩の苦みあり・末摩は・梵語也・華に |
J09_0074A09: | は支節と翻ず・具には倶舍論に出でたり・此苦みを |
J09_0074A10: | 受くる事は人の心を痛ましめし報也と・顯宗論に見 |
J09_0074A11: | えたり・念佛の行者は・命の終らんとする位に佛の |
J09_0074A12: | 來迎を見・正く命終る時に・正念を得て往生を遂く |
J09_0074A13: | 念佛の人の往生の疾き事を・經に譬如壯士屈伸臂 |
J09_0074A14: | 頃とも説き如一念頃即得往生とも説き給ふ・ |
J09_0074A15: | 般舟讃曰・低頭禮佛在此國・擧頭已入彌陀 |
J09_0074A16: | 界・往生要集に曰・當知艸庵暝目之間・蓮臺結 |
J09_0074A17: | 跏之程・聖衆來迎の心を・藤原資隆朝臣の歌に |
J09_0074B18: | 艸の庵に露消えぬとや人は見る |
J09_0074B19: | 蓮の花に宿りぬる身を |
J09_0074B20: | 臨終廻心の人は・正念に依て來迎を見る・平生廻心 |
J09_0074B21: | の人は・臨終無記なれども・迎接を蒙る・無記の往生 |
J09_0074B22: | の事は・羣疑論に具に述せり・十勝論云・黑谷上人・ |
J09_0074B23: | 書與空阿大德法語に曰・正念之時稱名積功設臨 |
J09_0074B24: | 終雖不稱名念佛・决定往生之由見羣疑論・云 |
J09_0074B25: | 云・彌陀六八の願の中に・第十九は來迎引接の願な |
J09_0074B26: | り・此願ある故に名號を唱ふる人は・臨終の無朧事 |
J09_0074B27: | なし・向阿云・末代の衆生の往生を遂げん事は・來 |
J09_0074B28: | 迎の願の力らなるべし・云云・阿彌陀經には・與諸 |
J09_0074B29: | 聖衆現在其前・是人終時心不顚倒・即得往生 |
J09_0074B30: | と説き・稱讃淨土經には・慈悲加祐令心不 |
J09_0074B31: | 亂と説き・悲華經には・以見我故離諸障碍と説 |
J09_0074B32: | き給ふ・此れ等の文・皆來迎に依りて正念を得るの義 |
J09_0074B33: | 也・西要抄に云・臨終正念は・偏に聖衆の來迎の力に |
J09_0074B34: | 依り・聖衆の來迎は・復平生念佛の功にあらんずる事 |