浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0073A01: | 行に・一步を蹈み出すの後・緩急はともあれ・行くま |
J09_0073A02: | じきと思ふ心の發らすして步み行くは・無間長時の |
J09_0073A03: | 義を具せり・三心の現起せざる時は・三心内心に成 |
J09_0073A04: | 就す之に凖して知るべし・三心の現起と云は・心に |
J09_0073A05: | 助給へと思ふ時なり・現起せざると云は・心に助給 |
J09_0073A06: | へとも思はず・妄念ながらに稱ふる時也・此時は三 |
J09_0073A07: | 心は行者の心の底に納まりてある也・故に三心を具 |
J09_0073A08: | したる人の・唱ふる名號は・心の亂不亂を論せず・徒 |
J09_0073A09: | に唱へ棄つるに一遍も空しからず・皆往生の業と成 |
J09_0073A10: | る也・向阿の云・人毎に其日の數遍に取向ふをりは・ |
J09_0073A11: | 先いかにも往生の思ひより・申し初めらるる事なれ |
J09_0073A12: | ば・念念の念佛は皆本の約束にかへりて始の志に納 |
J09_0073A13: | まりぬべし・又しどけなく申し散したる念佛なれど |
J09_0073A14: | も後に必ずとり集めて極樂に迴向する思あり・此時 |
J09_0073A15: | 妄念は自ら擇み捨てられ・念佛は悉く擇ひ取られて・ |
J09_0073A16: | 汚るるる所なく皆淸淨の業と成る也・然れば・かま |
J09_0073A17: | へて口ばかりにもあれ唱へ置くべき也・終に迴向せ |
J09_0073B18: | ん時志と一つになるべきが故に妄念と共にても申し |
J09_0073B19: | たらん・念佛の・遂に徒らなる事は・ゆめゆめ侍る |
J09_0073B20: | まじ・水火の二河を顧りみず・念念に忘れざれと云 |
J09_0073B21: | も・此心なるべし云云・ |
J09_0073B22: | 三心は行者の具する心なる故に・退の義なきに非ず・ |
J09_0073B23: | 一度具すれば・退かずとは思ふべからず・上人も・ |
J09_0073B24: | 多分不退少分退と宣へり・佛國禪師の歌に・ |
J09_0073B25: | 折得ても心許すな山櫻 |
J09_0073B26: | さそふ嵐のありもこそすれ |
J09_0073B27: | 或は異學異見退・自造罪退・命欲終時退を敎へ・又 |
J09_0073B28: | 四修を以て念佛を勵ませと侍るも用心の爲也・大經 |
J09_0073B29: | に・五惡五痛五燒を説給ふ・是も用心の爲也といへ |
J09_0073B30: | り・卷を披いて見るべし・若經を見る事叶はざる人は |
J09_0073B31: | 洛陽報恩寺に五痛五燒の體を委しく圖せる大經の曼 |
J09_0073B32: | 陀羅あり往いて見るべし・心行具足の念佛の人は・ |
J09_0073B33: | 往生一定也といへども・用心の爲に・迎接の變相・ |
J09_0073B34: | 變者動也綵縷御手絲事などをも所持すべし・死は時處を簡はざ |