浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0072A01: | 是・云云・自の三學は鼎の三足の如し・一を闕いて |
J09_0072A02: | も不可也・佛の本願の他力は・天井より鎖を下して・ |
J09_0072A03: | 釜を釣るが如し・曾て鼎の力をからず・次に長時修 |
J09_0072A04: | と云は・名號を唱へ初めし日より・日課の稱名・其 |
J09_0072A05: | 數百千萬は・行者の心に隨ひて・在左在右・命終る |
J09_0072A06: | まで退轉なきをいふ |
J09_0072A07: | 次に决定とは深心確乎として抜けざるの謂也・經に |
J09_0072A08: | 云・如何决定心・謂尊敎命如説奉行成實論云・决 |
J09_0072A09: | 定者信根・未見自法・心得淸淨・是名爲信・云 |
J09_0072A10: | 云・稱名の行者は・仰信を要とすべし・十住毘婆沙 |
J09_0072A11: | 論に云・以信方便・易行疾至・應當念佛・稱其 |
J09_0072A12: | 名號・起信論云・當知如來有勝方便・攝護信心・ |
J09_0072A13: | 淨土旨訣曰・世尊於三乘法門外・開淨土一門是云 |
J09_0072A14: | 勝方便・云云 |
J09_0072A15: | 次に三心の籠ると云は・至要訣に曰・助給へと思う |
J09_0072A16: | て僞らざるは・至誠心・一筋に賴もしく・思うて |
J09_0072A17: | 疑はざるは・深心・助給へと・願ひ思ふは・迴向發 |
J09_0072B18: | 願心也・されば三心の所詮を・南無の二字に習入る |
J09_0072B19: | 也・口に南無と云は・心に助給へと思ふを・いひあ |
J09_0072B20: | らはす詞也・云云・南無の二字を・心に臨むる時は |
J09_0072B21: | 願也・口にいへば・行と成る・故に義兼兩向と釋 |
J09_0072B22: | せり・向阿の云・詮ずる所・三心とは本願を賴む心 |
J09_0072B23: | にて侍れば・佛助け給へと思ふ心だにもあれば・三 |
J09_0072B24: | 心は自から其中に納まるべき也・しかる故は・罪多き |
J09_0072B25: | 身の淺ましければ・佛ならではいかでと覺るに付て |
J09_0072B26: | こそ・助給へとも思はるれば・深心も是に籠れり・ |
J09_0072B27: | 其助給へと思ふ心には・露の僞もなきぞかし・それ |
J09_0072B28: | を至誠心とも申せ・此助給へと思ふが・頓て迴向發 |
J09_0072B29: | 願心にて侍る也・云云・四修の籠ると云は・阿彌陀 |
J09_0072B30: | 佛を貴み奉るは・恭敬修也・况や南無の二字に・敬 |
J09_0072B31: | 禮の義あるをや・又念佛を唱へ初めし時より・命終 |
J09_0072B32: | るまで・懈怠なく修せんと思ひ居たるは・無間修の |
J09_0072B33: | 籠れる也・臨終の夕べまで・退轉なく・相續すべし |
J09_0072B34: | と思ひ居るは・長時修の籠れる也・喩ば萬里の道を |