ウィンドウを閉じる

J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0071A01: ばいか程も強く勵むべし・但し勵めと勸むるに付て
J09_0071A02: いか程までと云ふきはは有るべからず・唯身の堪へ
J09_0071A03: 心の及ばん程なるべし云云・般舟讃曰・人人有分不
J09_0071A04: 可疑・云云・火を燒に・薪多ければ・煙四方の空
J09_0071A05: に靉靆く如く・信深ければ行も亦多し・然れども・
J09_0071A06: 機類萬差なる故に・信深うして行尠く・信淺うして
J09_0071A07: 行多き人も有べし・是にも四句有べき也向阿云・よ
J09_0071A08: しいかに機拙く行少くとも唯我を賴まんものにだに
J09_0071A09: あらば・かまへて我國に生れよと淺からず念じ給ふ
J09_0071A10: 其御志に引れてなどか我等往生する事を得ざらん・
J09_0071A11: 又云・唯衆生の方よりあやぶみて・身を本願にまか
J09_0071A12: せかねたる・心のなまさかしさにこそ・今日まで・
J09_0071A13: 往生も滯りぬれ・又云・我等が往生すべき支度をば・
J09_0071A14: 彌陀本願にかまへ立てられたり・南無阿彌陀佛と申
J09_0071A15: さば佛何ともはからひ給はんずらん・我が力にてす
J09_0071A16: まじき往生なれば・何の苦しき事かあらん・又云・己
J09_0071A17: が志己か行の功にて・生れんずる事のやうに覺えて
J09_0071B18: 只管佛の御力とのみは思はぬこそ・無大氣事にて侍
J09_0071B19: れ・さる程に無端に心行も不足に覺え・往生も疑は
J09_0071B20: しげ也・是れ併ながら・他力のいはれを思ひよらぬ
J09_0071B21: 故也・又云・五劫思惟の本願も・我等が往生の爲に
J09_0071B22: 發し・兆載永劫の修行も・我等が往生の爲に・勤め
J09_0071B23: 給ひしかば・其大願と大行とに報いて・成じ給へる
J09_0071B24: 正覺の御果報なれば・我等を往生せさする大力を・
J09_0071B25: 成就し給へる事・誠に理なるもの也・云云・三學兼
J09_0071B26: 備の人の事は置いて論ずべからず・戒の足なき人は・
J09_0071B27: 涅槃の山にも登り難たく・定慧の力なき人は・般若
J09_0071B28: の船にも棹指し難し・向阿の云・戒破れなば・定
J09_0071B29: 發るべからす・定なくは慧生すべからず・慧なくは煩
J09_0071B30: 惱を斷ずべからず・煩惱を斷ぜざれば生死を出づる
J09_0071B31: 斷なき也・云云・止觀に云・我今欲過生死大海・
J09_0071B32: 尸羅不淨還墮三途・禪定智慧皆不得發・云云・
J09_0071B33: 徹選擇に云・婆沙に造物と云事あり・即ち造て曰・
J09_0071B34: 離戒定慧三學可有出生死義乎・有本願名號

ウィンドウを閉じる