浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0066A01: | ふる外に別の子細なし・子細なき所に子細を付くる |
J09_0066A02: | 時往生の道には迷ふ也・ |
J09_0066A03: | ただし三心四修と申事の候はみな决定して南無 |
J09_0066A04: | 阿彌陀佛にて往生するぞとおもふうちにこもり |
J09_0066A05: | 候なり |
J09_0066A06: | 觀經曰・一者至誠心・二者深心・三者廻向發願心・ |
J09_0066A07: | 具三心者・必生彼國・云云・上人の曰く・三心と |
J09_0066A08: | 申候も・重ねて申す時は唯一つの願心にて候也・又曰 |
J09_0066A09: | 縱三心の名をだにもしらぬ・無智の者なれども・彌陀 |
J09_0066A10: | の誓願を賴み奉りて・少も疑ふ心なくして此名號を |
J09_0066A11: | 稱ふれば・此の心が即ち三心具足の心にてある也・さ |
J09_0066A12: | れば唯一向に信じてだにも念佛すれば・三心は自か |
J09_0066A13: | ら具する也・云云・然阿云・本願を信じて・まさに往 |
J09_0066A14: | 生せんと思ふ・是を三心と云也・又云・三心を具せ |
J09_0066A15: | ざる者も・押して决定往生と思へば・此故實に依りて |
J09_0066A16: | 初て三心を具する也・云云・三心を・觀經には・一 |
J09_0066A17: | 者至誠心等と・竪に十六字に説き・大經には・至心 |
J09_0066B18: | 信樂欲生我國と・八字に説き・阿彌陀經には一心不 |
J09_0066B19: | 亂と・橫に四字に説給ふ・此一心は・事理定散安心起 |
J09_0066B20: | 行に通ず・今安心の一心を决定して名號を稱ふる人 |
J09_0066B21: | は皆極樂に生るる也・念佛の安心は・善導大師の二 |
J09_0066B22: | 河白道の喩にて心得べし然阿の云・白道の譬なくば・ |
J09_0066B23: | 凡夫出離の疑猶殘るべし・向阿の云・中路の白道も波 |
J09_0066B24: | を踏むで步むとこそ見えたれ・又云・機と行との拙き |
J09_0066B25: | を救はん爲の本願に心は深からんをと・誓はれたら |
J09_0066B26: | んは・あたら本願の・よき頑なるべし・さしも五劫ま |
J09_0066B27: | で案じ給ひけん善巧の・さる手づづなる事やは侍る |
J09_0066B28: | べき・又云・彌陀の本願は五逆までをも捨てず・十 |
J09_0066B29: | 念をも漏さぬのみならず・安心の弱きまでをも・助給 |
J09_0066B30: | ふ事なれば・ゆめゆめ往生にあやぶみあるべからず・ |
J09_0066B31: | 彼下品下生の機を・苦に逼められて・心耄たる者と |
J09_0066B32: | 説・又二河の喩に往生の志を四五寸の道に喩へて・西 |
J09_0066B33: | の岸に人ありて・我能汝を護れば道細くとも落すま |
J09_0066B34: | じきぞと喚ふといへるは・皆他力本願は安心の弱き |