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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0066A01: ふる外に別の子細なし・子細なき所に子細を付くる
J09_0066A02: 時往生の道には迷ふ也・
J09_0066A03: ただし三心四修と申事の候はみな决定して南無
J09_0066A04: 阿彌陀佛にて往生するぞとおもふうちにこもり
J09_0066A05: 候なり
J09_0066A06: 觀經曰・一者至誠心・二者深心・三者廻向發願心・
J09_0066A07: 具三心者・必生彼國・云云・上人の曰く・三心と
J09_0066A08: 申候も・重ねて申す時は唯一つの願心にて候也・又曰
J09_0066A09: 縱三心の名をだにもしらぬ・無智の者なれども・彌陀
J09_0066A10: の誓願を賴み奉りて・少も疑ふ心なくして此名號を
J09_0066A11: 稱ふれば・此の心が即ち三心具足の心にてある也・さ
J09_0066A12: れば唯一向に信じてだにも念佛すれば・三心は自か
J09_0066A13: ら具する也・云云・然阿云・本願を信じて・まさに往
J09_0066A14: 生せんと思ふ・是を三心と云也・又云・三心を具せ
J09_0066A15: ざる者も・押して决定往生と思へば・此故實に依りて
J09_0066A16: 初て三心を具する也・云云・三心を・觀經には・一
J09_0066A17: 者至誠心等と・竪に十六字に説き・大經には・至心
J09_0066B18: 信樂欲生我國と・八字に説き・阿彌陀經には一心不
J09_0066B19: 亂と・橫に四字に説給ふ・此一心は・事理定散安心起
J09_0066B20: 行に通ず・今安心の一心を决定して名號を稱ふる人
J09_0066B21: は皆極樂に生るる也・念佛の安心は・善導大師の二
J09_0066B22: 河白道の喩にて心得べし然阿の云・白道の譬なくば・
J09_0066B23: 凡夫出離の疑猶殘るべし・向阿の云・中路の白道も波
J09_0066B24: を踏むで步むとこそ見えたれ・又云・機と行との拙き
J09_0066B25: を救はん爲の本願に心は深からんをと・誓はれたら
J09_0066B26: んは・あたら本願の・よき頑なるべし・さしも五劫ま
J09_0066B27: で案じ給ひけん善巧の・さる手づづなる事やは侍る
J09_0066B28: べき・又云・彌陀の本願は五逆までをも捨てず・十
J09_0066B29: 念をも漏さぬのみならず・安心の弱きまでをも・助給
J09_0066B30: ふ事なれば・ゆめゆめ往生にあやぶみあるべからず・
J09_0066B31: 彼下品下生の機を・苦に逼められて・心耄たる者と
J09_0066B32: 説・又二河の喩に往生の志を四五寸の道に喩へて・西
J09_0066B33: の岸に人ありて・我能汝を護れば道細くとも落すま
J09_0066B34: じきぞと喚ふといへるは・皆他力本願は安心の弱き

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