浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0065A01: | 一枚起請但信鈔卷上 |
J09_0065A02: | |
J09_0065A03: | 洛陽 桑 門 隆 長 述 |
J09_0065A04: | もろこし我朝にもろもろの智者たちのさたし申 |
J09_0065A05: | さるる觀念の念にもあらず |
J09_0065A06: | 今此上人の・勸給ふ念佛は・觀念にあらず・口稱の |
J09_0065A07: | 念佛也・此度極樂に往生せんと願ひ・阿彌陀如來の |
J09_0065A08: | 本願を賴み助け給へと思ひて・南無阿彌陀佛と唱へ |
J09_0065A09: | よと也・此名號は・法藏比丘・初地の菩薩の位にして |
J09_0065A10: | 五劫の間思惟し・萬善萬行の功德を・六字の中に納 |
J09_0065A11: | めて・果號とし・生因の本願とし給ふ行也・故に無量 |
J09_0065A12: | 不可思議の功德を具す・行者の方には・何の子細も |
J09_0065A13: | なく唯信じて唱ふる許也・譬ば醫師病人に藥を與ふ |
J09_0065A14: | るに病者藥方を知らざれども・至心に服餌すれは病 |
J09_0065A15: | 即ち除癒するが如し・此の法語は・上人臨亡の前勢 |
J09_0065A16: | 觀房の所望に依て・筆を染給ふ也・是を讀む人文の |
J09_0065A17: | ままに心得べし・權敎には・文の如く義を存ずるは・ |
J09_0065B18: | 三世如來の怨也と説給へども實敎の中には・了義大 |
J09_0065B19: | 乘は・文の如く義を存ずと演給ふ・南山大師曰く・ |
J09_0065B20: | 文當體即義云云・又和字を用ゐらるる事は・道俗男女 |
J09_0065B21: | に其旨を得易からしめん爲也・顏氏家訓云・沈隱侯 |
J09_0065B22: | 曰・文章當從三易・易見事也・易識字二也・ |
J09_0065B23: | 易讀誦三也・云云・唐我朝と云て・天竺を除かれ |
J09_0065B24: | し事は・何の所以もなく印度を畧し給へるなるべし |
J09_0065B25: | また學問をして念の心をさとりて申す念佛にも |
J09_0065B26: | あらず |
J09_0065B27: | 是は・念即是空・焉得有念・有念無念・共本無也・ |
J09_0065B28: | などど云理を知り・一念不生と悟り・其心に住して |
J09_0065B29: | 申す念佛にはあらずと・知らしめ給ふ也 |
J09_0065B30: | ただ往生極樂のためには・南無阿彌陀佛と申し |
J09_0065B31: | てうたがひなく往生するぞとおもひとりて申す |
J09_0065B32: | ほかには別のしさい候はず |
J09_0065B33: | 思ひ取りてと云は・信心决定の義也・別の子細候はず |
J09_0065B34: | とは上人曰・疑はざる心に成りおほせぬる上には・唱 |