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J1340 一枚起請但信鈔 隆長 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0065A01: 一枚起請但信鈔卷上
J09_0065A02:
J09_0065A03: 洛陽 桑 門 隆 長 述
J09_0065A04: もろこし我朝にもろもろの智者たちのさたし申
J09_0065A05: さるる觀念の念にもあらず
J09_0065A06: 今此上人の・勸給ふ念佛は・觀念にあらず・口稱の
J09_0065A07: 念佛也・此度極樂に往生せんと願ひ・阿彌陀如來の
J09_0065A08: 本願を賴み助け給へと思ひて・南無阿彌陀佛と唱へ
J09_0065A09: よと也・此名號は・法藏比丘・初地の菩薩の位にして
J09_0065A10: 五劫の間思惟し・萬善萬行の功德を・六字の中に納
J09_0065A11: めて・果號とし・生因の本願とし給ふ行也・故に無量
J09_0065A12: 不可思議の功德を具す・行者の方には・何の子細も
J09_0065A13: なく唯信じて唱ふる許也・譬ば醫師病人に藥を與ふ
J09_0065A14: るに病者藥方を知らざれども・至心に服餌すれは病
J09_0065A15: 即ち除癒するが如し・此の法語は・上人臨亡の前勢
J09_0065A16: 觀房の所望に依て・筆を染給ふ也・是を讀む人文の
J09_0065A17: ままに心得べし・權敎には・文の如く義を存ずるは・
J09_0065B18: 三世如來の怨也と説給へども實敎の中には・了義大
J09_0065B19: 乘は・文の如く義を存ずと演給ふ・南山大師曰く・
J09_0065B20: 文當體即義云云・又和字を用ゐらるる事は・道俗男女
J09_0065B21: に其旨を得易からしめん爲也・顏氏家訓云・沈隱侯
J09_0065B22: 曰・文章當從三易・易見事也・易識字二也・
J09_0065B23: 易讀誦三也・云云・唐我朝と云て・天竺を除かれ
J09_0065B24: し事は・何の所以もなく印度を畧し給へるなるべし
J09_0065B25: また學問をして念の心をさとりて申す念佛にも
J09_0065B26: あらず
J09_0065B27: 是は・念即是空・焉得有念・有念無念・共本無也・
J09_0065B28: などど云理を知り・一念不生と悟り・其心に住して
J09_0065B29: 申す念佛にはあらずと・知らしめ給ふ也
J09_0065B30: ただ往生極樂のためには・南無阿彌陀佛と申し
J09_0065B31: てうたがひなく往生するぞとおもひとりて申す
J09_0065B32: ほかには別のしさい候はず
J09_0065B33: 思ひ取りてと云は・信心决定の義也・別の子細候はず
J09_0065B34: とは上人曰・疑はざる心に成りおほせぬる上には・唱

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