浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0054A01: | 後に下り。聖光上人を師としつかへて。淨土一宗の |
J09_0054A02: | 秘頥を。相承せられしより以來。鎭西の正義は。普 |
J09_0054A03: | く天下に流布しけるなり。さて鎭西の授かり玉ふ法 |
J09_0054A04: | 語并に附法の起請文は。筑紫物語集に載せらる。今 |
J09_0054A05: | 一枚起請と挍合の爲に具に其文を記すべし。 |
J09_0054A06: | 念佛往生と申事は。もろこしわが朝の。もろもろの |
J09_0054A07: | 智者達の。沙汰し申さるる觀念の念佛にもあらず。 |
J09_0054A08: | 又學問をして。念佛の心をさとりとほして。申す念 |
J09_0054A09: | 佛にもあらず。ただ極樂に往生せんがために。南無 |
J09_0054A10: | 阿彌陀佛と申て。疑ひなく往生するぞと思ひとりて。 |
J09_0054A11: | 申外に別の事なし。ただし三心ぞ四修ぞなんど申事 |
J09_0054A12: | の候は皆南無阿彌陀佛にて。决定して往生するぞと。 |
J09_0054A13: | 思ふうちに納まれり。ただ南無阿彌陀佛と申せば。决 |
J09_0054A14: | 定して往生することなりと。信じとるべきなり。念 |
J09_0054A15: | 佛を信ぜん人は。たとひ一代の御法を。よくよく學 |
J09_0054A16: | しきはめたる人なりとも。文字一もしらぬ愚癡鈍根 |
J09_0054A17: | の。不學の身になして。尼入道の。無智の輩に。わ |
J09_0054B18: | が身を同じくなして。智者のふるまひせずして。た |
J09_0054B19: | だ一向に南無阿彌陀佛と。申てそ叶はんず。などぞ。 |
J09_0054B20: | 又大師自筆にて。鎭西に與へ玉へる誓狀に云く。源 |
J09_0054B21: | 空所存。皆申于御邊畢。此外有所存者。以梵釋 |
J09_0054B22: | 四王。可奉仰其證。鎭西相承の法語。并に附法の |
J09_0054B23: | 御誓文。かくの如し。豈たのもしきに非ずや。又鎭西 |
J09_0054B24: | 御病中に。門弟に示されける。起請文に云く |
J09_0054B25: | 故法然上人は。たとひ一代の佛法を。よくよく學し |
J09_0054B26: | たる人なりとも。不學の身となりて。智者のふるま |
J09_0054B27: | ひをせずして。ただ一向に南無阿彌陀佛と。申てぞ |
J09_0054B28: | 叶はんとこそ。仰せられ候ひし。此外に奧ふかき事 |
J09_0054B29: | の候ぞとも仰せられ候事候はば。阿彌陀釋迦佛の。 |
J09_0054B30: | 御罰を蒙り。又念佛守護の梵天帝釋の御罰を蒙り候 |
J09_0054B31: | べしと。此鎭西の起請文の中に。故上人の仰とある御 |
J09_0054B32: | 言を世人一枚起請を。寫し玉ふと思へるは。不稽の |
J09_0054B33: | 誤りなり。是は正しく鎭西の授かり玉へる。法語の |
J09_0054B34: | 中の。要を取て載せ玉へるなり。文の中に不學の身と |