ウィンドウを閉じる

J1330 吉水遺誓諺論附録正流弁 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0054A01: 後に下り。聖光上人を師としつかへて。淨土一宗の
J09_0054A02: 秘頥を。相承せられしより以來。鎭西の正義は。普
J09_0054A03: く天下に流布しけるなり。さて鎭西の授かり玉ふ法
J09_0054A04: 語并に附法の起請文は。筑紫物語集に載せらる。今
J09_0054A05: 一枚起請と挍合の爲に具に其文を記すべし。
J09_0054A06: 念佛往生と申事は。もろこしわが朝の。もろもろの
J09_0054A07: 智者達の。沙汰し申さるる觀念の念佛にもあらず。
J09_0054A08: 又學問をして。念佛の心をさとりとほして。申す念
J09_0054A09: 佛にもあらず。ただ極樂に往生せんがために。南無
J09_0054A10: 阿彌陀佛と申て。疑ひなく往生するぞと思ひとりて。
J09_0054A11: 申外に別の事なし。ただし三心ぞ四修ぞなんど申事
J09_0054A12: の候は皆南無阿彌陀佛にて。决定して往生するぞと。
J09_0054A13: 思ふうちに納まれり。ただ南無阿彌陀佛と申せば。决
J09_0054A14: 定して往生することなりと。信じとるべきなり。念
J09_0054A15: 佛を信ぜん人は。たとひ一代の御法を。よくよく學
J09_0054A16: しきはめたる人なりとも。文字一もしらぬ愚癡鈍根
J09_0054A17: の。不學の身になして。尼入道の。無智の輩に。わ
J09_0054B18: が身を同じくなして。智者のふるまひせずして。た
J09_0054B19: だ一向に南無阿彌陀佛と。申てそ叶はんず。などぞ。
J09_0054B20: 又大師自筆にて。鎭西に與へ玉へる誓狀に云く。源
J09_0054B21: 空所存。皆申于御邊畢。此外有所存者。以梵釋
J09_0054B22: 四王。可奉仰其證。鎭西相承の法語。并に附法の
J09_0054B23: 御誓文。かくの如し。豈たのもしきに非ずや。又鎭西
J09_0054B24: 御病中に。門弟に示されける。起請文に云く
J09_0054B25: 故法然上人は。たとひ一代の佛法を。よくよく學し
J09_0054B26: たる人なりとも。不學の身となりて。智者のふるま
J09_0054B27: ひをせずして。ただ一向に南無阿彌陀佛と。申てぞ
J09_0054B28: 叶はんとこそ。仰せられ候ひし。此外に奧ふかき事
J09_0054B29: の候ぞとも仰せられ候事候はば。阿彌陀釋迦佛の。
J09_0054B30: 御罰を蒙り。又念佛守護の梵天帝釋の御罰を蒙り候
J09_0054B31: べしと。此鎭西の起請文の中に。故上人の仰とある御
J09_0054B32: 言を世人一枚起請を。寫し玉ふと思へるは。不稽の
J09_0054B33: 誤りなり。是は正しく鎭西の授かり玉へる。法語の
J09_0054B34: 中の。要を取て載せ玉へるなり。文の中に不學の身と

ウィンドウを閉じる