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J1320 吉水遺誓諺論 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0049A01: には。他宗背宗の安心起行を擧けてそれにはあらず
J09_0049A02: と揀び。第二段には願行相續の稱名の正宗を明し。
J09_0049A03: 第三段には。願行相續の中に三心四修ことごとく備
J09_0049A04: はる事を示して疑を通じ。第四段には。誓を立てて
J09_0049A05: 願行相續の外なき事を决定し。第五段には。序正二
J09_0049A06: 段に明す所の願行相續の稱名を結勸流通し玉へり。
J09_0049A07: かくの如く段段。鈎鎻相連し首尾相應して。文に盈
J09_0049A08: 縮なく意義明白なれば。さらに紛るる曲なし。文の
J09_0049A09: 表はやすらかに。安心起行をのみ勸玉ひて詞に巧め
J09_0049A10: る色香もなくて。自然にもろもろの滅後の邪義を。
J09_0049A11: 殘なく防き盡し玉へり。もつとも。文章の妙なり。又
J09_0049A12: 文章の巧なるは。詞にさとりがたき曲なども有るも
J09_0049A13: のなるに。いかに愚なる男女までもさらさらと讀下
J09_0049A14: せば安心起行詞の下に。たやすく定りて。さらに疑
J09_0049A15: ふところなし。ますます文章の妙なり。念佛の行者。
J09_0049A16: ふかく尊重珍敬してつねに祖恩を報じたてまつり玉
J09_0049A17:
J09_0049B18: ○第二手印
J09_0049B19: 爲證以兩手印
J09_0049B20: 此は本朝上古の習ひ。大事の證文には。兩手を以て
J09_0049B21: 印とせり。事は神代より起りて。押手とも云ふ。世
J09_0049B22: に手形と名くるの古事なるべし。今大師一切衆生出
J09_0049B23: 離解脱の一大事を决判し玉へる御遺誓なるが故に。
J09_0049B24: 叮嚀に兩手の印證を用ゐさせ玉ひけるなり。
J09_0049B25: ○第三總結
J09_0049B26: 淨土宗の安心起行此一紙に至極せり源空か所存
J09_0049B27: 此外に全別義を存せす滅後の邪義を防かんか爲
J09_0049B28: に所存を記し畢
J09_0049B29: 此一章は。總結文也。一枚起請は。もと滅後の邪義
J09_0049B30: を防がん爲の。末期の極誡なる事を示し暗に來由を
J09_0049B31: 示玉へり。鎭西相承の法語には此結文なし。末期に
J09_0049B32: 初て加へ玉へり。意は滅後末代の西方の行者。此遺
J09_0049B33: 誓を念佛の鏡に懸けて安心起行の邪正を照し見よと
J09_0049B34: 也。此の故に滅後の邪義を防かんが爲にと書かせ玉

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