浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0047A01: | 結び止めて。無觀稱名の起行を勸玉へり。扨その觀念 |
J09_0047A02: | の念佛も。念の心をさとるも。共に。もろもろの智 |
J09_0047A03: | 者たちの沙汰と。序分に書玉へる故に。此段に智者 |
J09_0047A04: | の振舞をせずしてと結び止めてただ愚に還りて。單 |
J09_0047A05: | 信稱名すべしと勸玉へり。扨又前の第二段に。南無阿 |
J09_0047A06: | 彌陀佛と申て疑なく往生するぞと思ひ取て申す外に |
J09_0047A07: | は別の子細候はず。と云ふ骨髓の一段を。此段に。 |
J09_0047A08: | 唯一向に念佛すべしと云ふ。一句に結勸して。ただ |
J09_0047A09: | 觀念學解の心行のみにあらず。一切の諸行に目をか |
J09_0047A10: | けず。ひたすら唯願唯行の念佛三昧を相續すべしと |
J09_0047A11: | 云意を。末代に流通し玉へるなり。誠に序正流通。 |
J09_0047A12: | 起結照應し。脉絡貫通して。いとめでたき御文章な |
J09_0047A13: | り。扨此段の所詮は。ただ往生極樂のために。本願 |
J09_0047A14: | の念佛を信ぜん人ならば。佛の法身相好を觀念せず。 |
J09_0047A15: | 諸行を雜亂せず。ただ一向に南無阿彌陀佛と。相續 |
J09_0047A16: | 不退に稱念すべし。これ彼佛の本願起行の念佛にし |
J09_0047A17: | て。末法衆生の機敎相應の法なるが故なり。又その |
J09_0047B18: | 念佛の安心は。觀心參究の工夫を雜へず。すべて凡 |
J09_0047B19: | 慮の領解を加へず。平に信じて。ひたすら助玉へと |
J09_0047B20: | 打ちかこつべし。これ彼佛の本願念佛の安心なるが |
J09_0047B21: | 故なり。凡そ悟道成佛の修行は。般若の智慧を離れ |
J09_0047B22: | ては萬善萬行みな有爲の行となる故に。たとひ念佛 |
J09_0047B23: | 讀誦する時も。みな理觀の智慧をば先とするなり。 |
J09_0047B24: | 扨蓮華受生の修行は。それとは遙にかはれり。悟道 |
J09_0047B25: | をも求めず。斷惑をも求めず。ただ往生極樂をもと |
J09_0047B26: | むる故に。觀音の蓮臺にのらんまでは。唯妄念の凡 |
J09_0047B27: | 夫なり。妄念の凡夫が。ただ往生の障を滅して。淨 |
J09_0047B28: | 土の業を成ぜんために。相續して念佛申すまでなり。 |
J09_0047B29: | その滅罪業成は。佛願他力にあらざれば。成就せず。 |
J09_0047B30: | 又その他力に乘ずる事は。行者の信願稱名にあらざ |
J09_0047B31: | れば成就せず。この故に願行相續を肝要として。 |
J09_0047B32: | 種種の解了を貴まず。たとひ參究死心に申す。銀牆 |
J09_0047B33: | 鐵壁の念佛も。觀心推撿に申す圓頓止觀の念佛も。 |
J09_0047B34: | 悟道得法のためには。實に利益あるべけれど。仰賴 |