浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0046A01: | 無智の爲には益なし。さて此外に滅後の邪義を預め |
J09_0046A02: | 防玉はん事は。大師の智德といへども。いかがし玉 |
J09_0046A03: | はんや。これによりてただ御心中の正義を示して。御 |
J09_0046A04: | 誓言を加へ。これに背ける種種の新義は我を誣ひる |
J09_0046A05: | 妄説にして。悉く滅後の邪義也と知るべしと决し玉 |
J09_0046A06: | へり。實にこれ大師の善巧。無上の手段なるべし。 |
J09_0046A07: | されば前段に。願行相續の正義を擧けて。此段に此 |
J09_0046A08: | 外に別の奧深事を存ぜず。もし存じて存ぜずといは |
J09_0046A09: | ば。二尊の慈悲にはづれて。三惡道に落ち。彌陀の |
J09_0046A10: | 本願にもれて。淨土に往生せじと云趣を。御詞やは |
J09_0046A11: | らかに。御心はげしく。一大事の後世の浮沈をかけ |
J09_0046A12: | て誓ひ玉へる起請文なり。然れば滅後末代に。邪義 |
J09_0046A13: | の橫濫を防ぎ止むる金剛の堤塘は此一段に極まれる |
J09_0046A14: | なり。いかなる滅後の愚人なりとも。此起請文を |
J09_0046A15: | 見て。さらに大師の御心を疑はんや。又いかなる |
J09_0046A16: | 滅後の邪人なりとも。此起請文に向つて。またいかに |
J09_0046A17: | 大師の正義を掠め奉らんや。されば鎭西の流をくむ |
J09_0046B18: | 輩。五百年來他人の邪推に混ぜられず。背徒の邪義 |
J09_0046B19: | に惑はざるは。みな御遺誓の賜なり。忝なきには侍 |
J09_0046B20: | らずや。 |
J09_0046B21: | ○結勸流通。第五段。 |
J09_0046B22: | 念佛を信せん人はたとひ一代の法を能く學すと |
J09_0046B23: | も一文不知の愚鈍の身になして尼入道の無智の |
J09_0046B24: | ともからに同して智者の振舞をせすしてたた一 |
J09_0046B25: | 向に念佛すへし |
J09_0046B26: | 此段は結勸流通なり。前の第一第二の段に揀收する |
J09_0046B27: | 所の。安心起行を。此段に結び止めて勸めて末代に |
J09_0046B28: | 流通し玉へり。大意は初の序分に。學問をして念の |
J09_0046B29: | 心をさとりて申すにもあらずと。學解の安心を揀び |
J09_0046B30: | 玉ふ故に。此段に。たとひ一代の法をよくよく學す |
J09_0046B31: | とも一文不知の愚鈍の身になしてと結び止めて。無 |
J09_0046B32: | 解信願の安心を勸玉へり。又序分に。智者たちの沙汰 |
J09_0046B33: | せらるる觀念の念佛にもあらずと。念佛の起行を揀 |
J09_0046B34: | び玉ふ故に。此段に。尼入道の無智の輩に同してと。 |