浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0044A01: | いかなる滅後の背徒なりとも。此文に向つてまたい |
J09_0044A02: | かに。口を開きてんや。 |
J09_0044A03: | 二に他人の疑を决し玉へり。意は。他宗の人。前の段 |
J09_0044A04: | に。此外に別の子細候はず。とて三心四修を出され |
J09_0044A05: | ざるを見ては。疑を起して。善導は三心の中に一心も |
J09_0044A06: | 少きぬれば往生せずと釋し。又四修をもて安心起行 |
J09_0044A07: | を勵ますべしと勸め玉ひしかば。吉水も選擇集にね |
J09_0044A08: | んごろに勸め玉ひながら末期の遺訓に至て。三心四 |
J09_0044A09: | 修の名をだにも。出し玉はざるは。善導の勸化に |
J09_0044A10: | 背けり。深廣の三心四修を具せずは。いかで往生を |
J09_0044A11: | 得んやと。難ずる人有るべし。是によりて。此段の意 |
J09_0044A12: | は。但しその年比勸めぬる。三心四修と申事は。他 |
J09_0044A13: | 人の思ふ樣なる。甚深廣大にして。具しがたき。別 |
J09_0044A14: | の子細には非ず。前段に示すがごとく。ただ疑なく |
J09_0044A15: | 往生するぞと思取て。懈らず念佛申す人には。有智 |
J09_0044A16: | 無智を論ぜず。自然にやすく具する法なれは。三心 |
J09_0044A17: | 四修の名は出さざれども。その義は悉く包擧して有 |
J09_0044B18: | るぞと云意を决し玉へるなり。いかなる滅後の他人 |
J09_0044B19: | なりとも。この文に向つて。いかが又異評を下して。 |
J09_0044B20: | 大師を誣奉らんや。詞に巧める色なくて。さらさら |
J09_0044B21: | と書きながし玉へる中に。をのづから滅後の邪義を |
J09_0044B22: | 殘なく防き盡し玉へり。あに文章の妙にあらずや。 |
J09_0044B23: | ○誓を起てて證を請ふ。第四段 |
J09_0044B24: | 此外に奧深事を存せは二尊の憐にはつれ本願に |
J09_0044B25: | もれ候へし |
J09_0044B26: | 大師曾て鎭西に授け玉へる法語には。此一段を。ただ |
J09_0044B27: | 南無阿彌陀佛と申せば。决定して往生するなりと。信 |
J09_0044B28: | じ取るべきなりと書玉ひけるを。末期に改めて御誓 |
J09_0044B29: | 言に替へさせ玉へり。その故は鎭西に授け玉へる。 |
J09_0044B30: | 願行相續の稱名の宗義を。他宗の人は。是は劣機誘 |
J09_0044B31: | 引の方便なり。有智の人には。別に甚深の念佛あり |
J09_0044B32: | と云ひ。又背宗の徒は。稱名相續の行は。外儀の方 |
J09_0044B33: | 便なり。此外に内證秘奧の相承あり。鎭西はこの |
J09_0044B34: | 秘傳をば得玉はずと云ひかすめける故に。大師その |