浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0041A01: | 段の文を。少し言を省きて。再び擧玉ふばかりなり。 |
| J09_0041A02: | 更に別義を書かせ玉ふにはあらず |
| J09_0041A03: | 扨前段の中に。三心四修が。いかが籠るぞとならば。 |
| J09_0041A04: | 念佛の行者名利の爲にせず。眞實にただ往生極樂の |
| J09_0041A05: | 爲と思ふは。至誠心なり。疑なく往生するぞと思ひ |
| J09_0041A06: | 取は深心なり。助け玉へ阿彌陀佛と念するは。願行 |
| J09_0041A07: | 具足の廻向心なれば。三心みな籠れり。扨念佛を相 |
| J09_0041A08: | 續して申すは。無間修なり。相續無間の行者は。餘 |
| J09_0041A09: | 行を賴まざれば無餘修なり。時時また恭敬慇重に行 |
| J09_0041A10: | するは恭敬修なり。一期退轉せざるは長時修なれば。 |
| J09_0041A11: | 四修ことごとく籠れり。この故に。前段に。三心 |
| J09_0041A12: | 四修の名をば。隱して出し玉はざれども。三心四修 |
| J09_0041A13: | の義はことごとく包籠せるなり |
| J09_0041A14: | 扨前段は。遺誓一編の骨髓なるに。其中に此宗に大事 |
| J09_0041A15: | と勸むる三心四修の名目をかきけして出し玉はず。 |
| J09_0041A16: | 此段に至て。但し三心四修と申事の候はと。その意 |
| J09_0041A17: | を斷り玉へり。これ正しく滅後の邪義を防ぎ玉ふ。 |
| J09_0041B18: | 大師の活法にして。もとも文章の妙なり。先前段に |
| J09_0041B19: | 三心四修を出されざるは。昔し他宗背宗の學者が。種 |
| J09_0041B20: | 種の暗推邪説を搆へて。大師を誣奉り衆生を惑はせ |
| J09_0041B21: | し由來は。善導大師の或は正雜二行によせ。或は助正 |
| J09_0041B22: | 二業によせて。勸めたまへる三心四修の廣釋に迷う |
| J09_0041B23: | て。念佛の一行に即たる。三心四修の要義を解らざ |
| J09_0041B24: | りしより。事をこれり。されば他人の中に。三心四 |
| J09_0041B25: | 修は甚深廣大の法なれば。無智の男女の。たやすく |
| J09_0041B26: | 發すべく。具すべき法にはあらず。さるを。たやす |
| J09_0041B27: | き樣に勸め玉ふは。劣機の爲の假の方便にして。吉 |
| J09_0041B28: | 水の眞實にはあらずと談りし人もあり。これは。他 |
| J09_0041B29: | 宗の祖師は。觀經の三心を。上品に限りたる起行と |
| J09_0041B30: | 見玉ふ故に。或は甚深の理心に釋し。或は廣大菩提 |
| J09_0041B31: | 心に釋せり。又四修は。もと六度菩薩の作業にして |
| J09_0041B32: | 廣大の法なれば。他宗の人これらの執心を將來りて。 |
| J09_0041B33: | 善導大師の三心四修の廣釋をも。得方に見なすが故 |
| J09_0041B34: | に。甚深廣大にして。劣機の凡夫は。たやすく具す |