浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0040A01: | 觀心參究の得道の念佛を將來りて。願行相續の得生 |
| J09_0040A02: | の念佛に混亂して。信男信女の。たまたま思ひ定め |
| J09_0040A03: | たる安心を云ひさまたげて。疑惑の心を起こさしめ。 |
| J09_0040A04: | 往生不定の嘆をなさしむること。はなはだ痛ましか |
| J09_0040A05: | らずや。疑悔なき處において。他人を疑悔せしむれ |
| J09_0040A06: | ば。菩提心を失ふなりと。佛の誡め玉ひけるは。是 |
| J09_0040A07: | ならんか。實に後世を恐れん人は。隨喜するまでこそ |
| J09_0040A08: | 難からめ。あへて障碍をなさん事。その罪を恐れざら |
| J09_0040A09: | んや。願くは吉水の正流をくまん。念佛の行者は。 |
| J09_0040A10: | ただ往生極樂の爲には。信願の力が。大に勝れたる |
| J09_0040A11: | 事。定慧の力の及ぶ所にあらずと云ふ理りを。よく |
| J09_0040A12: | よく思ひ定めて。ひたすら本願に打ちまかせ。一筋 |
| J09_0040A13: | にたすけ玉へと。思ひつめて。願行相續の稱名を勵ま |
| J09_0040A14: | すべし。他力往生の信心ただこの一决にあり。ゆめ |
| J09_0040A15: | ゆめ觀念理持。參究。死心。等の念佛をうらやむ事な |
| J09_0040A16: | かれ |
| J09_0040A17: | ○疑を通じ奸を防ぐ。第三段 |
| J09_0040B18: | 但三心四修と申事の候はみな决定して南無阿彌 |
| J09_0040B19: | 陀佛にて往生するぞとおもふ内に籠候なり |
| J09_0040B20: | 此段の大意は。前段に。三心四修の沙汰はなくて。 |
| J09_0040B21: | この外に別の子細候はずと書かせ玉へば人必ず疑 |
| J09_0040B22: | ひて云べし善導大師は念佛の行者必ず三心四修を具 |
| J09_0040B23: | 足すべしと釋し玉へば。吉水も年比三心四修をねん |
| J09_0040B24: | ごろに勸め玉ひながら。この肝要の一段に。三心四修 |
| J09_0040B25: | の名をだに。出し玉はざるは。いかなる御意ぞやと。 |
| J09_0040B26: | 或は又三心四修は甚深廣大の法なれば。無智の劣機 |
| J09_0040B27: | は。たやすく具足しがたき。大なる別の子細なるによ |
| J09_0040B28: | りて。前の段には三心四修をすすめ玉はずと。思ふ人 |
| J09_0040B29: | も有べし。これによりて。此段に。その義を斷らせ玉 |
| J09_0040B30: | へり。意は前の段のごとく。ただ往生極樂のためには |
| J09_0040B31: | 南無阿彌陀佛と申て疑なく往生するぞと思ひ取て。 |
| J09_0040B32: | 相續して申す人には。名をだにしらぬ三心四修が。自 |
| J09_0040B33: | 然にことごとく備はる故に。その名をば。出し玉はね |
| J09_0040B34: | ど。その義はみな籠りて有るぞとなり。此の段は。前 |