浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0028A01: | せんとはげみ習ふべきなり。大師の云稱名の時心に |
J09_0028A02: | 思ふべき樣は。人の膝などを引動かして。や。助玉へ |
J09_0028A03: | と云ん定なるべしと。されば御念佛の時の御氣色も。 |
J09_0028A04: | その樣に見え玉ひしなりと。聖光上人も石川禪門も。 |
J09_0028A05: | 申されけるとなん。これぞ實の歸命想の念佛にし |
J09_0028A06: | て。願行相續の手本なるべし。あひかまへて。行者 |
J09_0028A07: | 眼を著て。自から懈怠を顧りみ。大師の御行跡に倣 |
J09_0028A08: | ひ奉るべきをや。げに朝夕禮時の念佛にも。六字を |
J09_0028A09: | 慥に唱へて。高からず低からず。速からず遲からず。 |
J09_0028A10: | 願行相續して。久く申す時にぞ。自然に稱名の音も |
J09_0028A11: | すみわたりて。心にたふとしと聞に。三業ひとしく |
J09_0028A12: | 進みて。身も安樂なれば。心ものうからず。一時半 |
J09_0028A13: | 時を過るは。つかのまの程にて。さながら罪障も消 |
J09_0028A14: | えぬる心地して胸の内打はれて。覺ゆらんは。賴し |
J09_0028A15: | きには侍らずや。上來は。時時佛前の稱名に付て。 |
J09_0028A16: | 恭敬修の念佛并に用心念佛の行儀を申し述ふるなり |
J09_0028A17: | 扨又無間長時の日所作の稱名は。恆所造に業を成ず |
J09_0028B18: | る行なれば。心の亂不亂をもえらばず。口に稱名相 |
J09_0028B19: | 續するを肝要として。おりおり心に助玉へと思ひ出 |
J09_0028B20: | すべし。かくは用心すれども行住坐臥の所作なれば。 |
J09_0028B21: | 歷縁對境にまぎれて。忘れがちなるをば。いかがは |
J09_0028B22: | せん。先その日の念珠に取向はん時。ねんごろに發 |
J09_0028B23: | 願し畢りて。くり初め。それより終日。しばしば心 |
J09_0028B24: | にかけて。稱名の息の下には。助玉へと思ひ習ふべ |
J09_0028B25: | し。又つまぐる數珠の母珠に至る度ごとには。一心 |
J09_0028B26: | に助玉へと廻願すべし。扨日課を。くりはてて後は。 |
J09_0028B27: | いかなる處にても。つと西に向て。終日の念佛を。 |
J09_0028B28: | 自他往生極樂の爲に。ねんごろに廻向すべきなり。 |
J09_0028B29: | 夫妄念もしなじなに分れて。をのづから許されたる |
J09_0028B30: | もあり。又許されざるも有なり。許されたる任運妄 |
J09_0028B31: | 念をば。發らばおこれと打すてて。ただ助玉へと思 |
J09_0028B32: | ひ返すべし。もし許されざる卒起决定貪瞋が。競ひ起 |
J09_0028B33: | ると覺えん時には。やがて慚愧して。一心に南無阿 |
J09_0028B34: | 彌陀佛と申すを。隨犯隨懺の念佛とは云なり。たす |