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J1320 吉水遺誓諺論 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0025A01: その國異なる故に。その云ふ言は。替れども。その
J09_0025A02: 意は。三國同く我をすくひ玉へと云ふ言なれば。こ
J09_0025A03: れ仰賴救我の願心なり。されば助玉へと思ふ心にて。
J09_0025A04: 南無と唱ふれば。南無がすなはち。願なり。阿彌陀
J09_0025A05: 佛と申すはこれ行なり。ただこの思願の心が。よく
J09_0025A06: その行を導きて。當來淨土の果報の身を招引する力
J09_0025A07: あるを。引業とは名く。阿彌陀佛と申す稱名の行に。
J09_0025A08: 滅罪生善の功德備はりて。惡趣に引くべき業障の
J09_0025A09: 絆を截て。當來淨土の果報を圓滿せしむるを。滿業と
J09_0025A10: は名く。これによりて。願行具足の念佛は。行によ
J09_0025A11: りて願を實にし。願によりて行を導くゆへに。念念
J09_0025A12: 聲聲みな本願に相應して。その功德空しからざれば。
J09_0025A13: ことごとく往生極樂の。引業ともなり。滿業ともな
J09_0025A14: るなり。但し淨土の業成は三界受生の業成とは。は
J09_0025A15: るかに異なれば。行を離れたる願は。引業とならず。
J09_0025A16: 願を離れたる行は。滿業とならず。もし佛の他力を
J09_0025A17: 離れぬれば。願も行も共に順次往生の業因とはなら
J09_0025B18: ず。ただよく願行具足して。佛の他力に歸命する時。
J09_0025B19: 阿彌陀佛の大願業力に加持せられて。能引能滿の業
J09_0025B20: とは成なり。然れば。助玉へと思ふ心にて。南無阿
J09_0025B21: 彌陀佛と申せば。一聲には一願一行を具足し。十聲
J09_0025B22: には十願十行を具足し。百千聲には百千の願行の具
J09_0025B23: 足し。乃至萬億恆沙の念佛には。即ち。萬億恆沙願
J09_0025B24: 行を具足せり。もし臨終に約せば。ただ一度の念佛
J09_0025B25: に。一度往生の功德を誓ひ玉へる本願なり。况や上盡
J09_0025B26: 一形の間申し積みたる萬億恆沙の願行廣大の善根。
J09_0025B27: 無量の功德を取あつめて。誰か一度の往生を遂げざ
J09_0025B28: らんや。されば善導大師は。斯義を以の故に。必ず
J09_0025B29: 往生を得とは釋し玉へり。あに賴しからずや。誠に
J09_0025B30: 往生極樂の行の中には。またいづれの行法か。肩を
J09_0025B31: 並ぶべきや。不可思議圓頓無上功德の念佛にして。
J09_0025B32: しかも末法衆生のために。機敎相應易行の法なり。
J09_0025B33: 千劫にも逢がたく。萬劫に一度逢へり。生死を解
J09_0025B34: 脱せん事。今正く此時なりと歡喜して。つねづね心に

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