浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0024A01: | と兼備はり。この安心起行を。日日懈らず相續する |
J09_0024A02: | を。作業とは云なり。然れば。對治門の日は。説必次第 |
J09_0024A03: | に釋すれば。その言ひろく。各別の樣にて。ことこと |
J09_0024A04: | しく聞ゆれども。修行門の時は。法在同時に行じて。 |
J09_0024A05: | 更に煩しき事なければ。智あるも。愚なるも。かはる |
J09_0024A06: | 所なきを。易行の念佛とは名くるなり。まさに知べ |
J09_0024A07: | し。この一枚起請は。ただこれ往生禮讃の結歸一行三 |
J09_0024A08: | 昧の口訣なりと。されば。源空が目には。三心五念四 |
J09_0024A09: | 修。みな南無阿彌陀佛と見ゆるなりと。聖光上人に授 |
J09_0024A10: | け玉ひける。大師の口訣も。正しく此文に顯れたり。 |
J09_0024A11: | 然れば。此段は善導大師。御勸化の至極にして。念 |
J09_0024A12: | 佛衆生の心行作業の龜鑑なり。もとも仰信すべし |
J09_0024A13: | 又此段安心起行の所詮は。また善導大師の觀經玄義 |
J09_0024A14: | の中の。願行具足の御釋によりて。ただ南無阿彌陀 |
J09_0024A15: | 佛の六字の意を開示し玉へり。もとも念佛の行者の |
J09_0024A16: | 大切なる用心なり。よくその意を明らむべし。今か |
J09_0024A17: | の玄義の御釋を引て。此文を對註して。くはしくそ |
J09_0024B18: | の義を明すべし |
J09_0024B19: | 玄義云。今此觀經中。十―聲稱佛。即有十願十行 |
J09_0024B20: | 具足。これは。此段の南無阿彌陀佛の六字に。願行具足する事を標す |
J09_0024B21: | 云―何具足。言南無者。即是歸命。亦是發願廻向之 |
J09_0024B22: | 義。これは。此段の。ただ往生極樂のためと思ひて南無と申す心には。ただたすけ玉へと持たるればこれ歸命にして。また發願廻 |
J09_0024B23: | 向なり |
J09_0024B24: | 言阿彌陀佛者。即是其行。これは。阿彌陀佛の四字は。正しく所歸の佛の名號にして。 |
J09_0024B25: | 稱名すなはち往生の行なる事を示す |
J09_0024B26: | 以斯義故。必得往生。これは。此段に。疑なく往生するぞと思取てと云は。願行具足せる |
J09_0024B27: | 本願の念佛なるゆへに。必得往生の大利益ありと。信ずる心なり |
J09_0024B28: | 此御釋の意は。天竺の人の南無と云ふ詞を。唐には |
J09_0024B29: | 歸命とも翻じ。救我とも譯す。我朝にはたすけたま |
J09_0024B30: | へと譯せり。されば大師の云南無阿彌陀と云ふは。 |
J09_0024B31: | 別したる事には思ふべからず。阿彌陀ほとけ。我を |
J09_0024B32: | たすけ玉へと。云ふ言と心えて。心には阿彌陀ほと |
J09_0024B33: | け助け玉へと思ふて。口には南無阿彌陀佛と唱ふる |
J09_0024B34: | を。三心具足の名號と申なり。と云へり天竺と日本と。 |