浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0023A01: | 往生なにをか危ぶまん。又八識にだにも熏習しつれ |
J09_0023A02: | ば。やがて往生極樂の業種と成なり。それより念念 |
J09_0023A03: | 聲聲ごとに。この業種を增長すれば。機根の上下 |
J09_0023A04: | によりて。もしは平生にまれ。もしは臨終にまれ。 |
J09_0023A05: | 疾くも遲くも。ついに必ず能引能滿の業種を。究竟圓 |
J09_0023A06: | 滿したる時を。業事成辨の人とは名く。これみな。 |
J09_0023A07: | 佛願他力の增上縁の致す所なり。もし疑ひて往生を |
J09_0023A08: | 不定と思へば。思ふが如く不定なり。本願にも叶は |
J09_0023A09: | ず。業種をも熏せざる故なり。されば。萬法みな一 |
J09_0023A10: | 心の所作なれば。ただ决定不退の深信を發起して。 |
J09_0023A11: | つねに歡喜念佛し。我往生は一定なりと思取れば。 |
J09_0023A12: | 一定往生するぞとなり。此對譯の意を明らめて。此一 |
J09_0023A13: | 段は。實に大師の御私にはあらず。ただ念佛往生の |
J09_0023A14: | 本願なりけりと。ふかく仰きて信心を决定すべし |
J09_0023A15: | 又此段は。善導大師の玄義の御釋によりて。淨土經 |
J09_0023A16: | の經體と經宗とを擧げて。その經宗に付て。往生禮讃 |
J09_0023A17: | に勸玉へる。安心と起行と作業との極要を述べつく |
J09_0023B18: | し玉へり。觀經玄義に。此經は。念佛を宗とし。往生 |
J09_0023B19: | を體とすと釋せり。その宗と云は因なり。體と云は |
J09_0023B20: | 果なり。此段に。ただ往生極樂の爲にはとの玉ふは。 |
J09_0023B21: | これ淨土の果報にて。淨土經の體と期する所なり。南 |
J09_0023B22: | 無阿彌陀佛と申と。の玉ふは。これ往生の行因にて。 |
J09_0023B23: | 淨土經の宗と貴む所なり。玄義には。宗を先に。體 |
J09_0023B24: | を後に擧玉へるを。此段には。まづ經體を擧玉ふ。こ |
J09_0023B25: | れまた滅後の邪義を防玉ふ立言の妙なり。扨往生禮 |
J09_0023B26: | 讃に三心五念四修を勸めて。ついに一行三昧に結歸 |
J09_0023B27: | し玉へり。今此段に。南無阿彌陀佛と云は起行なり。 |
J09_0023B28: | 五念門も此内に含めり。疑なく往生するぞと思取 |
J09_0023B29: | と云は。安心なり。三心此内に籠れり。次に思取て |
J09_0023B30: | 申す。と云ふは。かく思ひ定めてん上は。ひたと申 |
J09_0023B31: | より外に。別の事なしと云ふ心にて。これ相續の作 |
J09_0023B32: | 業なれば。四修此内に攝まれり。但しこの心行作業の |
J09_0023B33: | 三は。各別に行ずる法にはあらず。ただ疑なき心に。 |
J09_0023B34: | 助玉へと思うて南無阿彌陀佛と申す時。安心と起行 |