浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0022A01: | の段には。畧して要を取玉へり。又彼には。决定往 |
J09_0022A02: | 生と云へるを。此の段には。疑なく往生すと云へり。 |
J09_0022A03: | 疑なきは。すなはち决定なればなり。又彼には。心 |
J09_0022A04: | に往生せんと思てとあるを。此の段には。ただ往生 |
J09_0022A05: | 極樂の爲にはと云へり。かの釋は稱名の時の用心を |
J09_0022A06: | 示し玉ふまでなれば。心に往生せんと思ふにて事足 |
J09_0022A07: | ぬ。此の段は兼て滅後の邪義を防がん爲なれば。た |
J09_0022A08: | だ往生極樂のためにはと改玉へる。尤立言の妙なり |
J09_0022A09: | 又彼の深心の御釋と。此の一段の文とは。更に別の |
J09_0022A10: | 事にはあらず。全く第十八の念佛往生の本願を。安 |
J09_0022A11: | らかに和語に翻譯して。衆生に示し玉へるまでなり。 |
J09_0022A12: | されば一編の骨髓なる事宜ならずや。今本願の文を。 |
J09_0022A13: | この深心の法語に對譯して其意を明すべし |
J09_0022A14: | 念佛往生本願云。設我得佛。十方衆生。至心信樂。 |
J09_0022A15: | 欲生我國乃至十念。若不生者。不取正覺 |
J09_0022A16: | 煩惱の薄き厚きをも顧りみず。罪障の輕き重きをも |
J09_0022A17: | 論ぜず。これは本願の十方衆生の句に。ひろく善惡の衆生を含める事を示す。これ念佛往生の機分を定むるなり |
J09_0022B18: | 心に往生せんと思ふて。これは。本願の至心信樂欲生我國の句なり。心に往生せんと思て。名號 |
J09_0022B19: | をとなへて僞なく。疑なきは。すなはち三心なり。これ念佛の安心なり |
J09_0022B20: | 口に南無阿彌陀佛と申て。これは。本願の乃至十念の句なり。これ觀念にはあらず。稱念 |
J09_0022B21: | なりと云義を示して。六字をとなふ。これすなはち往生の起行なり |
J09_0022B22: | 聲に付て决定往生の思をなすべし。これは。本願の若不生者不取正覺の御誓 |
J09_0022B23: | あやまたず十劫以前すでに正覺をとらせ玉へば。一一の稱名みな本願に乘ずるゆへに。念佛衆生の往生は。决定して疑なしと。ふ |
J09_0022B24: | かく信ずる意なり |
J09_0022B25: | その决定の心によりて。往生の業は。すなはち定ま |
J09_0022B26: | る也。不定と思へばやがて不定也。一定と思へばや |
J09_0022B27: | がて一定する也 |
J09_0022B28: | これは。重て决定の思を勸む。必ず往生するぞと思 |
J09_0022B29: | 取て。露もうたがふ心なきを。决定とは云なり。决 |
J09_0022B30: | 定の心現起する時は。歡喜の心も亦おこるなり。そ |
J09_0022B31: | の决定歡喜の心にて。南無阿彌陀佛と申す時。即ち |
J09_0022B32: | 佛の本願に相應し。また我心の第八識に熏習す。本 |
J09_0022B33: | 願にだにも相應しつれば。やがて佛力の加持をかう |
J09_0022B34: | ふるなり。佛力に爭そふほどの惡業あるまじければ。 |