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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0409A01: る乳の。佛意に遠ざかるの。九十六趣の外道よりまし
Z14_0409A02: のと誹謗しながら。佛風の働きと。讃歎こそしたれ。
Z14_0409A03: そしりはせぬとはいかなる面皮ぞや。加樣の妄語は。
Z14_0409A04: 馬子駕籠等もいはぬことなり。扨又談義本魚の名に
Z14_0409A05: 似たりと云へる。いゝわけいらざることなり。京童部
Z14_0409A06: こそ。だんぎぼとやら。だんぎぼんとやら云へ。大坂
Z14_0409A07: にさへ云はぬことなれば。五畿內通方の語に非ず。況
Z14_0409A08: や遠國をや。譯もなきことを云はるゝことかな。發願
Z14_0409A09: 經の云ひわけも聞かぬことなり。自分には人の詞。少
Z14_0409A10: しにても違ひ有らば。學問が有らじと大にしからる。
Z14_0409A11: 指瑕返壁にも祖師の釋と別して。祖師の語とさへ云
Z14_0409A12: へば。釋と云ふ文盲なることなりと。とがめられた
Z14_0409A13: り。加樣の過。數々あぐるに及ばず。發願經は兎角書
Z14_0409A14: きあやまりにして。をかれたるが。ましなるべし。俗
Z14_0409A15: 人も發願經と云はねば。順俗ともいはれまじ。經律論
Z14_0409A16: を通じて。經と云ふは。十二部經の中より出て。しか
Z14_0409A17: も聖者の撰集なれば。例にならず。儒門にも聖經賢傳
Z14_0409B01: と定めたれば。六經も證に立ず。陸羽が茶經碁經等
Z14_0409B02: は。自稱にて大に非例なり。南山の戒壇圖經も。自稱
Z14_0409B03: なれば。これ亦例にならず。兎角調弄の意より。不圖
Z14_0409B04: 無調法をやられて。ひたと非をかざらるれども。仰天
Z14_0409B05: の唾と破斥せられし穀の中を出ることはなるまじ。
Z14_0409B06: 但し自分にも。佛風の働きをなされ。善導の發願文を
Z14_0409B07: も印可して。經にし玉ふがいぶかし。一佛乘を三乘と
Z14_0409B08: 說くは。具に五味の調𤍠を經る下根の二乘の爲にこ
Z14_0409B09: そ。法華諸經の王にて。第一最勝の法なれ。利人は何
Z14_0409B10: れの會處にても。隨聞得悟なり。𣵀槃經に十二因緣
Z14_0409B11: を說く。曾て二法なし。而れども下智觀のものは。聲
Z14_0409B12: 聞の菩提を得。中智觀の者は。緣覺の菩提を得。上智
Z14_0409B13: 觀の者は。菩薩の菩提を得。上々智觀の者は。佛菩提
Z14_0409B14: を得。是れ則ち諸天器を供れども。食に精麤有り。三
Z14_0409B15: 獸何を同ずれども。渡るに淺深を分つ。一雨の所潤。
Z14_0409B16: 三草二木受る所同じからざるなり。これ機情悟解を
Z14_0409B17: 本とする一代聖敎自力の敎門なり。淨土宗の念佛の

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