浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0408A01: | なれば。圓解圓觀の淺深にて。所生の佛土差別あるこ |
Z14_0408A02: | と。巡禮宿。水屋町の借座敷などやうの喩へもあるべ |
Z14_0408A03: | し。淨土宗の四十八願莊嚴淨土は。二百一十億の諸佛 |
Z14_0408A04: | 刹の麤妙を選擇し。十方衆生の爲に。平等の大悲心よ |
Z14_0408A05: | り建立し玉ひ。廣大寬平衆寶成にして。尺寸の地と雖 |
Z14_0408A06: | も。皆悉彌陀如來無漏眞實の變作に非ざるなければ。 |
Z14_0408A07: | 平等一味にして。差別あることなし。稱佛名故諸罪消 |
Z14_0408A08: | 滅にて。淨土に生るゝものも。平等一相なり。衆機の |
Z14_0408A09: | 差別は。娑婆の姿。淨土に生るゝは皆彼佛の正覺の蓮 |
Z14_0408A10: | 華より化生する故に。喩へば百千衆流の海に入て。同 |
Z14_0408A11: | 一鹹味なるが如し。 |
Z14_0408A12: | 問。法華經の意。三乘の法は。一佛乘に歸すと說き |
Z14_0408A13: | 玉ひたれば。小乘と一乘とは。一體無二なり。然れ |
Z14_0408A14: | ども。其當分を沙汰する時は。同じ法華經に小乘を |
Z14_0408A15: | ば。塵芥を除く除糞の器に譬へ玉へり。之を能く心 |
Z14_0408A16: | 得られよ。事持理持本と一體なれども。理事を嫌て |
Z14_0408A17: | 事持ばかりを勤むる人は。除糞の器に譬へても苦 |
Z14_0408B01: | しかるまじきなり。これ惡口に非ず。法華經の意を |
Z14_0408B02: | 述るなり。但し念佛の法門は。小乘にてはなき故。 |
Z14_0408B03: | 麁相なる除糞の器とは云ふべからず。上々の椶梠 |
Z14_0408B04: | 箒蒔繪の塵取位なるべし。卽心念佛の七寶の大車 |
Z14_0408B05: | とは。同日の論に非ざるなりと云へるは。淨土宗の |
Z14_0408B06: | 念佛は。蒔繪の塵取にても。椶梠箒にても。とかく |
Z14_0408B07: | 除糞之器なれば。小乘なりと誹るにや。 |
Z14_0408B08: | 答。爾なり。三世の諸佛。四依の薩埵も。同じく不可思 |
Z14_0408B09: | 議難信の法と讃歎し玉ひ。歷代の諸祖も。皆歸依讚勸 |
Z14_0408B10: | し玉ふ淨土の法門を。椶梠箒の蒔繪の塵取などの調 |
Z14_0408B11: | 弄の言詞を以て。抑下誹謗し乍ら。わる口に非ずとは |
Z14_0408B12: | 何たることぞや。これより廣大の惡口はまたあるま |
Z14_0408B13: | じとこそ存ずれ。其方のわる口と云ふは。さていか程 |
Z14_0408B14: | のことやらん。いと未審きことかな。小乘にてなしと |
Z14_0408B15: | 云ひつゝ。何とて除糞の器には譬へたるや。前後矛盾 |
Z14_0408B16: | の妄談を說き出して。他の難遁れ難く。誑語をひたと |
Z14_0408B17: | いはるゝなり。段々ひきく說きなし。大分水を加へた |