浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0407A01: | の女質とすべし。后千代野も。亦たゞ人には非ざる |
Z14_0407A02: | べし。孟軻曰。人皆可三以爲二堯舜一と。しかあれども。堯 |
Z14_0407A03: | 舜已來堯舜の如き聖王は漢土にもなかりしなり。我 |
Z14_0407A04: | 祖千中無一との玉へるは。此事なり。たゞ大聖を去る |
Z14_0407A05: | こと遠く。理深く解微なれば。聖道の法は今時修證す |
Z14_0407A06: | ること難しと思ひ極めて。智慧聰明も能く習ふこと |
Z14_0407A07: | もいらぬ口稱念佛して。貴賤老少智愚人畜の差別な |
Z14_0407A08: | く。同じく淨土に往生しなば。これぞ出離生死の妙 |
Z14_0407A09: | 法。末世時機相應の要行なり。尼入道の事の念佛は。 |
Z14_0407A10: | 京にも田舍にも野にも山にも充滿して。行はるると |
Z14_0407A11: | 云へるは。尤のことなり。これ末世時機相應の要行た |
Z14_0407A12: | るの現量。たれかあざむくことを得んや。今日現に見 |
Z14_0407A13: | るに。三才の幼兒の戱笑にも佛號を唱へ。戱の地畵も |
Z14_0407A14: | 彌陀を畫くは。彌陀佛偏へに此界の衆生と因緣深き |
Z14_0407A15: | が故也。卽心唯心遍法界等と詞に云ふは。高上にて面 |
Z14_0407A16: | 白き樣なれども。天台荆溪の方法各異理觀則同と示 |
Z14_0407A17: | し。四行莫作皆緣實相と釋して。何の行も皆一心三觀 |
Z14_0407B01: | を離るゝことなし。然るに濁世の愚凡は。眞實に名義 |
Z14_0407B02: | をだにも解會すること不レ能。終に畫餅飢膓に益あら |
Z14_0407B03: | ずして。空しく六趣の貧里に飢へ寒んこと。幾の誤ぞ |
Z14_0407B04: | や。かゝる道理も辨へず。作レ詩詠レ歌讃歎する人は。能 |
Z14_0407B05: | く觀行に堪へたる機か。さなくば恐らくは盲人騎二瞎 |
Z14_0407B06: | 馬一ならん。火坑實に危哉。 |
Z14_0407B07: | 問。卽心念佛は。事の念佛より遙かに勝れて。功德 |
Z14_0407B08: | 利益廣大無邊なり。前にも云ひし通り。三世のつみ |
Z14_0407B09: | とがを滅することが廣大なり。乃至同じ念佛にて同 |
Z14_0407B10: | じ淨土に生ずれども。卽心念佛の人は。淨土の依報 |
Z14_0407B11: | 正報を感見し奉ることが。殊の外勝れりたりと云 |
Z14_0407B12: | ふて。巡禮宿等を喩へに出されたり。此趣ならば。 |
Z14_0407B13: | 淨土宗の念佛は。滅罪もなく。淨土の中にても惡き |
Z14_0407B14: | 所に生るゝにや。 |
Z14_0407B15: | 答。これ前に云ひしが如く。宗旣に異なれば。機も亦 |
Z14_0407B16: | 同じからざるなり。彼の卽心念佛は。唯心の淨土自性 |
Z14_0407B17: | の彌陀なれば。唯心法界の圓解理觀にて生るゝ淨土 |