浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0406A01: | の力をかればいかなる人も能く知るが如し。淨土宗 |
Z14_0406A02: | の意は。四十八願莊嚴淨土の鏡を借りて。自ら苦勞を |
Z14_0406A03: | 用ひず。唯心の淨土。自性の彌陀を速に見奉るなり。 |
Z14_0406A04: | 問。事の念佛ばかりにては。佛敎の根本に遠ざか |
Z14_0406A05: | り。出離生死の道筋に近からずと云へるはいかん。 |
Z14_0406A06: | 答。これ淨土宗を大に誹謗せるなり。佛敎の根本に遠 |
Z14_0406A07: | ざかりたるは外道の敎に近かるべし。出離生死の道 |
Z14_0406A08: | に近からずば。卽ち迷妄流轉の衢なるべし。甚哉誹法 |
Z14_0406A09: | 毀人の言なり。拔舌の罪。逃るゝ所なかるべし。稱名 |
Z14_0406A10: | 念佛して極樂に往生するは。出離生死の犍㨗。得悟無 |
Z14_0406A11: | 生の要術なり。故に諸經に勸讃し。諸祖同じく唱和し |
Z14_0406A12: | て。愚凡を引導し玉ふこと。載籍數車にして不レ足。何 |
Z14_0406A13: | 處に口稱の要行を佛敎に遠ざかり。出離生死に近か |
Z14_0406A14: | らぬと誹れる敎文ありや。速に文證を出すべし。卽心 |
Z14_0406A15: | 念佛は末世の要行と。こと〲しく云はるれども。智 |
Z14_0406A16: | 惠聰明なる生れつきの人の。而も能く敎へ能く習ひ |
Z14_0406A17: | たる上にても。まだなるまじきものにてもなしと危 |
Z14_0406B01: | まるゝ法が。何とて末世の要行なるべきや。これ瞽蹶 |
Z14_0406B02: | の夜遊を勸むるなるべし。其上龍女六祖等を引證せ |
Z14_0406B03: | られたれば。いよ〱決定して。今時の相應の法に非 |
Z14_0406B04: | ざること知れたり。法華經に曰く。有二安竭羅龍王女一。 |
Z14_0406B05: | 年始八才。智慧利根。善知二衆生諸根行業一。乃至辨才無 |
Z14_0406B06: | 礙能至二菩提一。已上智慧利根は下趣の所有に非ず。知二 |
Z14_0406B07: | 諸根行業一は小乘の事に非ず。辨才無礙は善慧地なり。 |
Z14_0406B08: | 能至菩提は等覺の道なり。斯則三祗功畢り。十度因圓 |
Z14_0406B09: | なり。獻二寶珠一而轉二女形一。坐二蓮花一而陞二覺位一。畜生の女 |
Z14_0406B10: | とをもへるは大なる誤なり。經中に五生を說けり。是 |
Z14_0406B11: | 八地以上の隨類生なり。始めて發心すと雖も。發心に |
Z14_0406B12: | 四種ありて。是證發心にして。圓敎の住と別敎の地上 |
Z14_0406B13: | の薩埵なり。豈是今時具縛の者の例ならんや。六祖石 |
Z14_0406B14: | 鞏は越前のからうすふみ。奧山の獵師のやうなる人 |
Z14_0406B15: | とはいかなることぞや。大上々根宿習皆發の人。實は |
Z14_0406B16: | 大權の菩薩なるべし。韋提は如來觀經に未來の實凡 |
Z14_0406B17: | に同ぜしめて。所對の機とし玉へば。經文の如く垢凡 |